近江町市場で市場の食材「使い切り塾」-エコな金沢の正月料理学ぶ

「市場徹底使いきり塾」の模様

「市場徹底使いきり塾」の模様

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 金沢エコライフ・ワーキングネット(金沢市広坂、TEL 076-220-2507)は12月5日、近江町市場の消費者会館で、セミナーイベント「市場徹底使いきり塾『金沢のお正月料理』」を開催した。エコに対する関心が高まる中、地元の主婦らが地元の食材を無駄なく生かした金沢伝統の正月料理を紹介した。

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 「食材の無駄を出さない」ことをテーマに料理研究家の石野典子さんが金沢に伝わる伝統的な正月料理を紹介し、100人の応募者から抽選で選ばれた20~60代の主婦25人が受講した。毎年開催されている人気イベントで、今年は5月・10月に続く3回目の開催。

 今回のメニューは、「金沢の雑煮」「煮しめ」「サワラの昆布じめ」「タマゴえびす」「サツマイモとリンゴの型押し」の5品。雑煮は角もちと地元のセリを使い、昆布とカツオだけで味が決まるという金沢流のシンプルなダシで仕上げた。煮しめは加賀野菜のレンコンやゴボウなどを使い、食材の長所を活かしながらシイタケの軸や型抜きしたニンジンの残りも無駄なく利用。昆布締めは、残った刺身の利用法としても活用の幅が広い。サツマイモとリンゴの型押しには、加賀野菜の五郎島金時を皮ごと使うなど、正月用に買った食材を無駄なく使う調理方法に参加者は熱心に耳を傾けた。

 正月料理は家庭の主婦が期間中、台所に立たず休めるようにと考案されたため、しばらくの間保存できるよう濃い目の味付けとなっていた。現代のおせちは、若い世代を中心に薄味が主流となり、各家庭の個性も出やすいことから主婦の腕の見せ所だという。参加者は「おせち料理は次の世代の伝えたい文化だけに、地域に根ざした伝統のものを無駄なく調理する方法を学べて良かった」「縁があって金沢に引っ越して来たので、この土地の料理や伝統と文化を吸収したい」「家族に満足してもらえるような、食べても飽きない正月料理を作りたい」「現代では元旦から店も営業しているので不自由がなくなったが、家庭で作るおせち料理は格別。料理のレパートリーを広げたい」など、思い思いの感想を話した。

 金沢エコライフ・ワーキングネットは2006年に設立。金沢市から委託され、エコに関する多様な活動を行っている。会員向けに「エコ学習会」や講演会を定期的に開催するほか、「エコな大掃除」では環境にやさしい素材を使った掃除方法を伝授。来年1月20日には「冬エコ朝ごはん」と題して同会員の寺尾敏子さんを講師に迎え、地元の食材「じわもん」や旬の加賀野菜を生かした簡単ごはんを紹介するイベントを予定している。

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