金沢市在住のガラス作家・田聡美さんの個展「TIARA-ココロのカタチ」が6月13日より、アートスペース「pARa:siTe(パラ:サイト)」(金沢市松寺町子 G-WING’Sギャラリー内、TEL 076-238-0788)で開催されている。花嫁になって間もない作家本人が、結婚の女神「Juno(ユノ)」の月(6月)に結婚を控えた女性ならではの心の内をガラスのティアラに映し出している。
田さんは愛知県出身。金沢美術工芸大学で鋳金を専攻した後、ガラス造形を学び、現在は金沢卯辰山工芸工房に在籍している。同展は田さんにとってガラス作品の初個展で、実寸サイズのティアラ6点、ミニクラウン7点を制作した。ティアラには「幸せ」「浮気」「不安」などのタイトルが付けられ、一筋縄ではいかない乙女心が、危うくも美しいガラスで表現されている。
4月末に結婚したばかりの田さん。挙式にあたり、それまで縁の薄かったレース付きのドレスや宝石などに触れる機会が急激に増え、「乙女の世界」に興味がわいたという。結婚準備を進めていた段階で個展の話が持ち上がったことから、花嫁の身に着けるものをガラスで制作しようと思い立ち、花嫁が髪型やドレス、アクセサリー、ブーケなどの衣装を決めてから最後に選ぶティアラをテーマに決めた。
「ティアラは花嫁の心の象徴。ガラスで細い線を表現するのは難しく、制作途中や仕上がった後でもすぐに割れてしまったりする。そんな壊れやすく、折れやすい花嫁のさまざまな心境を表した」(田さん)。
営業時間は9時~17時。会期中無休。6月22日まで。
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