金沢市で市内外に向けた起業支援をPRする「はたらこう課」プロジェクトが4月25日にスタートし、まもなく2カ月を迎える。
起業予備軍をターゲットに、金沢市が行う起業支援相談窓口のPRと金沢での企業増加を目標に活動する。市から運営を受託するのはデザイン事務所「Hotchkiss」(広坂1)。さまざまなCMのアートディレクションやブランドロゴのデザインなどを手掛け、東京に拠点を置く同社だが、2015年、社長でアートディレクターの水口克夫さんの地元・金沢に事務所を設立した。
同社の久松陽一さんは「当初、起業支援PR映像の制作を依頼されたが、正直、映像1本作るだけでは起業が一気に増えるわけではない。長期的なPR活動を行うため、このプロジェクトを立ち上げた」と振り返る。顔が見えづらく、とっつきにくい相談窓口のイメージを変えるため、あだ名のようなチャーミングさがあるプロジェクト名にした。
ホームページでは実際に金沢で起業した人をリレー形式で紹介。すでに6人目までリレーが進行しており、紹介された起業家は次の起業家を紹介しながらリレーをつないでいく。
併せて、町家をリノベーションした創作料理店「PLAT HOME」(彦三町1)をオープンした岡川透さんや、「ことのは不動産」(菊川1)を設立した松本有未さんなどに金沢に住むことや金沢で働くことの魅力についてインタビューし、起業支援活動の認知を目指すPR動画の制作やフリーペーパーの配布を行う。起業家と起業を目指す人との交流会も定期的に開き、トークセッションなどから起業する際の不安や疑問に直接答えていくイベントも予定している。
自身も1年前東京から移住した久松さんから見て「金沢は伝統工芸や文化が根付く街。そんな土地で自分のなりわいを見極め、自分らしく働く起業家が多いと感じた」という。「地元企業家の紹介リレーをしていくことで、金沢と起業の魅力を伝え、起業家同士のネットワークもつながっていく。同時に起業予備軍や学生が地元企業家と接し、一緒に課題を考えるようなイベントを行い発信することで金沢での起業を活性化し、未来につなげていければ」と意気込みを見せる。