石川県発の能登半島地震復興支援映画「能登の花ヨメ」(「能登の花ヨメ」制作委員会)の先行プレミア上映会が3月25日、金沢市文化ホールで行われた。上映会後のステージでは、監督の白羽弥仁さんや主演女優の田中美里さん(金沢市出身)、谷本正憲石川県知事らのトークショーが繰り広げられ、最後に歌手の岩崎宏美さんが主題歌「始まりの詩 あなたへ」を披露した。
東京で結婚を間近にひかえる女性みゆき(田中美里)は、夫となる人の故郷、まだ地震の爪痕が残る能登に行くが、そこには慣れない土地や習慣、入り込めない人々が待ち受ける。厳しく当たる姑・松子(泉ピン子)の態度にも戸惑い衝突。とうとう東京に帰ることを決意。金沢に向かい帰京の途につこうとするみゆきだったが、地震にめげずにたくましく生きる人々の姿が脳裏に焼き付いて離れない。さまざまな思いがよぎり改心するみゆき。やがて、すたれるキリコ祭りを復活させる活動を通し、地元の人々との人間関係を修復してゆくストーリー。
上映会後のトークショーでは白羽監督が「石川の皆さんにはこの映画を『自分たちの映画』だと思ってほしい。そして、この映画を見た県内外の人々が、故郷という『大切な何か』を思い出し、登場するロケ地を訪れるきっかけとなれば」と語り、田中美里さんは「ロケに行く先々では、多くの人々から毎日心温まる支援を受けて撮影が成功した。本当に幸せ」と話した。谷本知事は「震災では全壊した家屋が700棟以上にも及んだが、地域の濃いコミュニティーが生きていたので阪神の時ように捜索犬などいらなかった。奇跡的に死者が1人で済んだのはその力。豊かな『文化』『食』『自然』がそろう能登はもともと経済的に自力があるはず。地震風評被害払拭のためにも、この映画がそれを後押ししてくれれば」と期待を寄せる。
最後は、歌手の岩崎宏美さんが主題歌「始まりの詩 あなたへ」を披露。「この曲は長期海外留学へと旅だった大江千里さんが、国内最後の曲として取り組んで作ったもの。とても大きな曲で、自分から望んで歌わせてもらった」と語った。
同映画は5月10日より、石川県で先行ロードショーを予定。県内共通特別鑑賞券は、大人=1,000円、小中学生=500円。能都地区の上映会場は「のとふれあい文化センター」(5月11日)、輪島市文化会館(5月17日)、七尾サンライフプラザ(5月18日)、ラポルトすず(5月24日)、コスモアイル羽咋(5月25日)で、詳しい問い合わせは各市町村役場、商工会議所まで。主題曲「始まりの詩 あなたへ」は4月14日、テイチクエンターティメント・インペリアルレコードより発売予定。
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