石川県立看護大学の准教授で、NPO法人「いしかわ在宅支援ねっと」の理事を務める彦聖美さんが4月~7月の月1回・計4回にわたり、石川県女性センター(金沢市三社)で男性介護者のための料理教室を開催している。
彦さんの専門は在宅看護学。高齢化と家族形態の縮小化が進む県内の現状を受け、家事に不慣れで孤立しがちな男性介護者を「食」の側面から支援しようと企画した。
同教室のキャッチフレーズは「楽ちん・おいしい・幸せご飯づくり」。ご飯を炊き、みそ汁を作ることから、簡単に栄養を摂(と)ることのできる料理、季節の食材を取り入れる料理法を学ぶ。4月24日に開かれた1回目の教室では、彩りちらしずし・スープ・春雨と豚肉のしょうが煮・フルーチェを完成させた。実習後の会食では参加者同士の会話も弾み、次回の献立にリクエストの声も聞かれたという。
講師を務めるのは栄養士でクッキングコーディネーターの下島気志子さん。下島さんは、栄養士として病院で務めた経験が長く、現在は「捨てない」「簡単に」をモットーに料理教室の講師を務めている。
彦さんは「『食』は健康の源であり、生命の基本。在宅療養において、療養される本人だけでなく、その介護者である家族を含めた食の支援は大切なこと。特に男性介護者はこれまで、家事一般に縁のない人が多く、毎日の介護に加え食事作りに相当な苦労がある。簡単においしいメニューを1つでも学べる場をつくりたい。気軽に参加してもらえれば」と参加を呼び掛ける。
今後の開催日時は、5月29日・6月26日・7月31日、各日11時~14時。参加費は、1回=300円。材料準備の都合上、事前の申し込み(同大学、TEL 076-281-8371まで、10時~16時)が必要。