金沢美術工芸大学の卒業制作展が2月21日、「金沢21世紀美術館」(金沢市広坂1)の市民ギャラリーで始まり、来場者らは現代女性を主役にしたひな飾りや、ぬいぐるみの「毛皮」を再利用したコートなど、個性的な136点を見て回った。
出品したのは、4年生136人。日本画、油画、彫刻、芸術学、視覚デザイン、製品デザイン、環境デザイン、工芸の各専攻で、4年間学んだ成果を注ぎ込んだ作品を発表している。
ひな飾り「現代女性雛祭(ひなまつり)」を制作したのは、美術工芸学部デザイン科視覚デザイン専攻4年、小林佳奈子さん。主婦、アスリート、キャリアウーマン、アイドルを五段飾りの主役にそれぞれ据え、自らの力で道を切り開く「現代の女性の幸せ」を表現した。
「主婦の段」では、最上段にエプロンを着けてお玉を手にした主婦が立ち、子どもが2段目、「ママ友」が3段目、イケメンの「幼稚園の先生」「ジムトレーナー」が4段目の座を占めた。「お父さん」は、5段目の「アイドル」よりも格下の「段外」にようやく登場し、来場者らは、女子大学生の風刺交じりの主婦観に苦笑していた。
ぬいぐるみを再利用した「Re:NUIGULMI(り・ぬいぐるみ)」は、同、堅田真衣さんの作品。愛着があって捨てられない思い出の品を使い、イヌやライオンの顔がついたふわふわのコートやマフラーに再生させた。
同、濱田元紀さんの「駄洒落屏風図(だじゃれびょうぶず)」は、ユーモア満載。オフィスや学校の教室、駅などの場面を描いた金びょうぶに、「イースト菌、良いストッキングはいてるじゃん」「のれんは乗れんよ。」「レタスからのラブレターっす。」などの駄じゃれをちりばめ、来場者の目を引いた。
開場時間は10時~18時(最終日は17時まで)。 入場無料。今月26日まで。