兼六園近くにある九谷焼販売店「野村右園堂」(金沢市兼六町、TEL 076-231-5234)2階に11月24日、若手工芸作家が作品を常設展示・販売できる「紺屋坂ギャラリー」がオープンした。
同店代表の野村正典さんが、県内の公立研修所などで学んだ後、プロとして独立できず、作家の道を諦めて別の職業に就く人もいると耳にしたことから、石川ゆかりの若手作家を応援しようと開設した。
面積は約150平方メートル。申し込んだ作家に、無料で半永久的にスペースを貸し出すのが特徴で、作家は随時、自由に作品を入れ替えられるという。
現在は、知り合いを通じてオープンを知った九谷焼や加賀友禅、漆器、草木染、鍛金などの20~40代の作家48人が作品を並べている。それぞれのコーナーには、名前と経歴のほか、製作を始めたきっかけや趣味、「元気の出る食べ物」「聴いている音楽」「尊敬する人・影響を受けたもの」などを記した写真入りの自己紹介文を掲げ、来店客に親しみを感じてもらう工夫も凝らす。
年に数回は、共同テーマを設けて企画展を開催していく考え。
野村代表は「短期間の発表の場はあるが、せいぜい1カ月間で、作家は作品を求めて来た人だけにしか出会えなかったと思う。ここは兼六園に近く、観光客が訪れるので、偶然立ち寄る人にも出会える」と期待を込める。
営業時間は9時~18時。木曜定休。