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加賀野菜で染めたストールとTシャツ、金沢の糸卸が商品化

「加賀れんこん」(左側)と「金時草」(右側)を使い、グレーとピンク色に仕上げたストール。加賀友禅作家がはけで染めた

「加賀れんこん」(左側)と「金時草」(右側)を使い、グレーとピンク色に仕上げたストール。加賀友禅作家がはけで染めた

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 金沢の郷土野菜「加賀野菜」を染料に使ったストールとTシャツが誕生した。2月に東京で開かれたギフト・ショーでバイヤーの注目を集め、百貨店などでの発売に向けて商談が進んでいる。

加賀野菜を使って染めたストールとTシャツを紹介する「福富」取締役の福富欽也さん

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 商品化したのは、糸の卸売りを手掛ける「福富」(金沢市丸の内)。加賀野菜と加賀友禅の技法、自社の糸加工技術を組み合わせて全国に発信できる「メード・イン・石川」の商品を作り出そうと考え、2010年秋から試行錯誤を繰り返してきた。

 使用したのは加賀野菜15種類のうち、「金時草」「加賀つるまめ」「せり」「打木赤皮甘栗かぼちゃ」「加賀れんこん」など9種類。それぞれの旬の時期に青果仲卸会社から生野菜を買い求め、提携する染料メーカーで煮出したり、ミキサーにかけて砕いたりして色を抽出し、染料に仕上げてもらった。葉の裏の赤紫色が特徴的な「金時草」からはピンク色、「加賀つるまめ」や「せり」「金沢春菊」からは緑色、「打木赤皮甘栗かぼちゃ」や「さつまいも」からは黄色、「加賀れんこん」からはグレーや茶色が得られたという。

 冷蔵保存したために変色してしまった「赤ずいき」など、残りの6種類については今後、挑戦する。

 ストールの端には加賀友禅作家が友禅用染料で描いた絵を添え、Tシャツは無地で仕上げた。

 2月8日~10日まで、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた「東京インターナショナル ギフト・ショー」では、特にストールがバイヤーの注目を集め、今秋、東京の百貨店で受注会を開く話が進行しているという。Tシャツについては、県内のJAや加賀野菜の生産農家、県外からの旅行者と顔を合わせる観光地の青果店などにPR用として売り込むことにしている。

 取締役の福富欽也さんは「ギフト・ショーでは『色が自然でいい』『商品として面白みがある』と評価を受け、いい手応えを得られた。石川のメンバーは、ストールのデザインに優れたヨーロッパに負けないものを持っていることをアピールしていきたい」と自信を込める。

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