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金沢の伝説「湯涌かぶら」が復活-地元企業が続々と商品開発に取り組み

収穫したての「金沢湯涌かぶら」

収穫したての「金沢湯涌かぶら」

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 金沢の奥座敷と呼ばれる湯涌地域で伝説とされる「かぶら」が、地元有志の夢と努力により復活を果たし、12月5日、「金沢湯涌かぶら」とその加工品の流通が始まった。

「金沢湯涌かぶら」の加工品と、金沢市内のアンテナショップで提供するかぶらを使ったメニュー。

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 約280年前の古文書「加賀国物産誌」に「長く大根のようで風味も良く『湯涌かぶら』と呼ばれる」などの記録が残される同かぶら。70~80年前まで同地域の山中の炭焼小屋周辺で灰を使って栽培されていたが、現在では幻の地域野菜と言われている。

 温泉を核とした保養地として古くから親しまれてきた同地域は、観光客や人口の減少と高齢化などの懸念を背景に、総湯のリニューアルや「金沢創作の森」の開設などハード面の整備を進めるとともに、ソフト面で「かぶら復活」を計画した。5年前、地元有志により発足した「湯涌かぶら利用拡大協議会」が県中央企業団体中央会の下、かぶらの育種・生産、加工品やメニュー開発に取り組んできた。

 復活を果たした赤紫と赤の2種類の細長い「金沢湯涌かぶら」は、通常のかぶらの約6倍のポリフェノールを含有する野趣に富んだ味わいが特徴。年内に約1万本の収穫を見込む。

 かぶらの復活に合わせ、地元企業による加工品の開発も進んでいる。第1弾として販売を始めたのが、「直源醤油」(大野町)によるかぶらの鮮やかな色を生かした「金沢湯涌かぶら ゆずぽん酢」(200ミリリットル=400円)、「かぶら寿司本舗かばた」(野町)による、かぶらのコクを生かした葉付きの一本漬け「金沢湯涌かぶらの漬物」(1袋=420円)。アンテナショップとして市内の洋食・和食の4店舗で同かぶらを使ったメニューも提供する。

 今後は、地元農家との連携で休耕田を活用しながら生産拡大に努める計画で、新たな用途開発なども進め、「県民に愛される地域野菜づくりを目指す」という。

 「金沢湯涌かぶら」は湯涌総湯「白鷺の湯」、漬物は「かぶら寿司本舗かばた」の本社(野町)と本店(寺町)、ゆずぽん酢は「醤油処直江屋源兵衛」(大野町)のほか、大和香林坊店・めいてつエムザでも取り扱う。

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