JFL所属の地元チーム「ツエーゲン金沢」は11月5日、県西部緑地公園陸上競技場(金沢市袋畠町)で「佐川印刷SC」(京都府向日市)と対戦し、4-1で圧勝した。ツエーゲンがホームゲームで勝ち星を挙げるのは6試合ぶりで、雨の中、応援に声をからしたサポーターや観客は歓喜した。
ツエーゲンは、アウェーを含む直近3試合で合計3点を挙げているMF平林選手が足の打撲のため欠場し、同じく得点を重ねているFW久保選手が出場停止となったが、代わりに先発から出場したMF山道選手が2得点を挙げるなど、ポジションを与えられた選手が、それぞれ存在感を見せた。
山道選手は前半9分、FW菅野選手が直接フリーキックで相手チームのディフェンスラインの背後に送ったボールをキープ。ドリブルで相手GKを交わしてゴール前まで運び、右足で押し込んだ。
同37分、ツエーゲンは佐川印刷にマークをブロックされ、1点を奪われたが、ロスタイムにMF根本選手が中央に寄せたボールをDF諸江選手がヘディングシュートで決め再びリード。
さらに後半19分、FW古部選手がドリブルで運んだボールを山道選手がゴールに蹴り込み、1点を追加した。4点目は同42分で、古部選手からボールを受け取った菅野選手がゴールした。
これまでの沈滞ムードを吹き飛ばすかのような果敢な戦いぶりに、サポーターや観客は大喜び。試合終了のホイッスルが鳴ると、仲間や家族と手を取り合って感激を分かち合った。サポーターチーム「Z-BLITZ(ジィーブリッツ)」は勝利した試合の後に必ず披露する応援チャント(歌)「勝利の歌」を高らかに響かせ、選手たちは一列に並び、つないだ手を高く掲げて応えた。中には、踊り出す選手の姿もあった。
今シーズン、フル出場する機会があまりなかった山道選手は「得点に絡めて勝てて良かった。自分の持ち味は運動量なので、90分あれば十分、アピールできる」と笑顔を見せた。主将の諸江選手は「もっと早く勝ちたかったが…。ホームで勝つと、地元のたくさんの人と一緒に喜ぶことができ、うれしい。ホームゲームはあと3試合しかないので、全部勝てるようにしていきたい」と力強く語った。
上野展裕監督は「選手はよくやってくれた。チャンスをもらった選手が点を取ってくれ、チームが一丸となった」と、べた褒め。チームの課題だった、ディフェンスラインの背後にロングパスを送られる守備ミスもほとんどなかったという。「次(13日)はアウェーで宿敵・松本山雅FCとの1戦なので、しっかり準備をしたい」と、闘志をみなぎらせた。
ハーフタイムには、子どもの虐待防止を訴える「オレンジリボン・キャンペーン」のメッセージビデオが上映され、子どもがいるMF山根、同阿部、同飛弾、根本の4選手が「虐待をなくしましょう」と訴えた。
ツエーゲンは後期第14節が終了した6日現在、勝ち点45(13勝8敗6引き分け)で、同リーグ18チーム中4位につけている。