北陸最大の消費都市である金沢で、初売り・バーゲンセールが今年も相次いで幕を開け、駅前の金沢フォーラス(金沢市堀川新町)をはじめ、市内中心街の大型百貨店や商店街は若者を中心に多くの客でごった返した。金沢の流通業界にとってはうれしい新年のスタートだ。
昨年に続き、元日から初売りを行った金沢フォーラスでは、バーゲン初日に過去最多の約7万人を集客。フォーラスに向かう車で幹線道路が約2キロにわたって渋滞した。市内中心部の百貨店「香林坊109」(香林坊2)は、昨年好評だったメンズブランドの福袋を2日の初売りで販売。開店前から500人の列ができたことから、開店を30分早める措置を取った。3日が初売りの香林坊大和(香林坊1)やめいてつ・エムザ(武蔵町15)の百貨店でも、福袋目当ての客を中心に終日ごった返した。
かつてない年始商戦の盛り上がりに、竪町商店街振興組合の東川庄一理事長は「百貨店、専門店、商店街が、3日のバーゲン開始で足並みをそろえた商業者の努力が、お客さまに高く評価してもらった結果」と分析。JR金沢駅と市内中心部の区間を無料運行した「まちバス」も客の買い物めぐりを後押しした。
初売り、バーゲンとも記録的な滑り出しを見せたが、「暖冬で冬物を買い控えているうちにバーゲンが始まったのも一因では」と見る関係者もいる。また、金沢フォーラスの廣瀬清剛館長は「去年は、北陸商圏全体が低調だっただけに気は緩められない。バーゲンなどの要因がないとお客さまが動かない可能性がある」と慎重な姿勢を見せる。
例年以上の熱気にあふれた金沢の年始商戦。「一瞬の花火に終わらないようにしなければならない」。金沢の商業者の間では早くも、過熱しそうなサバイバル戦に身構える空気が漂っている。
金沢フォーラスKOHRINBO 109香林坊大和めいてつ・エムザ駅前VS都心専門店の商戦過熱-金沢フォーラス1年目は600万人(金沢経済新聞)