駅前VS都心専門店の商戦過熱-金沢フォーラス1年目は600万人

開業1年で600万人を集客した「金沢フォーラス」(上)、「香林坊アトリオ」(左下)、「香林坊 109」(右下)

開業1年で600万人を集客した「金沢フォーラス」(上)、「香林坊アトリオ」(左下)、「香林坊 109」(右下)

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 JR金沢駅前にある北陸最大級のファッションビル「金沢フォーラス」が11月で開店1周年を迎え、初年度の来場者は600万人に上った。一方、都心部の「香林坊アトリオ」「香林坊109」では、フォーラス1周年をにらんだ店舗の改装や人気ショップの導入が相次ぎ、フォーラスも改装の前倒しを決めるなど、隣接する富山、福井県からの集客増もにらんだ商戦がますます過熱している。

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 金沢フォーラスを運営するイオンによると、1年目の600万人は当初目標の800万人を下回ったものの、「現場レベルで立てた現実的な540万人の目標は超えた。食品スーパーなどがないファッションビルとしては満足できる数字」としている。今年3月の能登半島地震や天候不順などのマイナス要因が影響したとみている。

 フォーラスが6月に行った来店者の県別調査(対象2,241人)では、石川県=平日78%、休日74%、富山県=平日11.6%、休日13.9%、福井県=平日4.1%、休日5.5%となっており、「開業前には、富山・福井合わせて休日30%と見込んでいたので、宣伝方法も含めた新たなてこ入れが必要」と話す。

 このため、フォーラスでは当初、2年間は改装を行わないとした方針を転換し、入居する190のテナントについて改装を前倒しで進めることを決めた。「ショップ間で販売力や扱う商品、場所など、いろいろな要因で格差が出ている。お客様の声を聞きながら、積極的に入れ替えを進める」としている。

 一方、「香林坊アトリオ」では、高級ブランドの「グッチ」が2000年の出店以来初となる大規模改装で11月2日に開店。売り場面積が約370平方メートルに拡張され、新作や限定品の品ぞろえを充実させた。アトリオを運営する金沢都市開発では、「高級ブランドを強化することで、中心街の魅力をさらに高めていきたい」と説明する。

 また、「香林坊109」ではこの9月に13店舗を入れ替えたばかりだが、「改装によって売り場に常に変化をもたせることで、購買意欲を刺激していく」として、北陸初登場となる「リルマーヴ」と「コンフィデンシャル」の2店を11月23日に開店する。いずれも、10代後半~20代前半の女性が対象のセクシー系カジュアルの人気ブランドだ。

 年間最大の歳末商戦に向けて「香林坊アトリオ」と「香林坊109」は、引き続き福井から金沢への買い物バスを連携して走らせることにしており、駅前と都心のファッションビルが広域集客にしのぎを削ることで生まれる金沢商圏の魅力アップに注目が集まる。

金沢フォーラス香林坊アトリオ香林坊109

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