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金沢・竪町をアートで表現-ストリートにプラスチックのチョウ1500匹

「machi-ai」の制作に参加し、青色のベニヤ板にパーツを張り付ける幼稚園児

「machi-ai」の制作に参加し、青色のベニヤ板にパーツを張り付ける幼稚園児

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 竪町ストリートを会場にして、金沢工業大学と金沢美術工芸大学の学生有志約60人が作品を制作・発表する「タテマチアートプロジェクトVol.2」が10月7日、始まった。全長430メートルのストリートには、買い物客や通行人らを表現したプラスチック製のチョウ1500匹が舞い、商店街は春のような華やかな雰囲気に包まれた。

大型木製オブジェ「大きなテーブル」

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 同プロジェクトは、商店街に活気をもたらす学生たちに足しげく訪れてもらい、好きになってもらうことが第一の狙い。昨年に続き2回目となった今回は、「出会い」をテーマにしている。学生たちは3カ月間にわたって竪町に通い、仲間と共にアイデアを出し合って、同町のイメージを形にした6作品を完成させた。

 まず目につくのは、ストリートの街路樹とプランターの周りに色とりどりのチョウを配した工大生の作品「てふてふ」。黄色のチョウは喜び、赤は情熱、紫は「これが欲しい」と思う気持ち、青は品選びの際の冷静さ、緑はベンチで休憩する時の一服感を表しており、「人の感情が交錯する町」を表現したという。

 片町側から入って通りの奥に位置するタテマチ広場には、参加型作品「machi-ai(まちあい)」と、子ども向け遊具のような大型木製オブジェ「大きなテーブル」が設置された。「machi-ai」は空をイメージした幅15メートル、高さ1.8メートルの青色のベニヤ板に、買い物客らが雲を抽象化した発泡スチロール製のパーツを張り付け、自由に絵を描く作品。同日は近隣の金城幼稚園と木の花幼稚園の園児67人が参加し、雪の結晶や丸を描いた。

 通り中ほどの空き店舗には、街を行き交う人々の心の中を形にした美大生グループの作品「Tatemachi-projection(タテマチ・プロジェクション)」が展示された。モデルにしたのは、内心、お姫様のような気持ちになっているショッピング中の女性や、心の中では太ることを気にしつつも、食べながら歩いている女の子、表面的には冷静な顔をしていても、頭の中では歌ったり踊ったりしている、音楽を聴きながら通りを闊歩(かっぽ)している人たちだという。それぞれハンガーやストロー3000本、CDなどを使って作り上げ、来場者の笑いを誘っていた。

 富山市出身の金沢工業大学環境・建築学部建築学科4年、有井慎也さん(21)は「以前は買い物にしか来なかったが、制作中、町の人たちが差し入れで飲み物を持ってきてくれたり、相談に乗ってくれたりしたので、第三の家のような気持ちになった。自分の居場所を見つけられた気がする」と話した。三重県出身の金沢美術工芸大学美術工芸学部デザイン科環境デザイン専攻2年、安藤貴文さん(20)も「最初はおしゃれなストリートだと思ってなじめず、店にも入りづらかったが、ふらっと立ち寄れる場所になった。ここで作業できたことが良かった」と笑顔を見せた。

 展示時間は11時~21時。今月16日まで。

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