金沢の日本料理店「壽(ことぶき)屋」(金沢市尾張町2、TEL076-231-6245)は着物レンタルshop「心結(ここゆい)」(芳斉2、TEL076-221-7799)と共同で、レンタル浴衣で会席料理を味わえるセットプランを発売した。
江戸時代末期に建てられた壽屋の座敷。灯ろうや飛び石を配した日本庭園を眺めることができる
壽屋の山縣秀行社長が本格的な日本料理店を利用したことのない市民や観光客に、一度足を運んでもらおうと、夏の限定商品として考案した。
利用客は心結で女性用50着、男性用20着、子ども用20着の浴衣の中から好みのものを選び、着付けをしてもらって壽屋へ「出陣」。風鈴をつり下げ、風通しの良い簾戸(すど)を入れた夏のしつらえの和室で心づくしの会席料理を味わう。
壽屋は江戸時代末期に建てられた町家を利用した料理店で、数寄屋(すきや)造りの座敷や重厚な玄関を備え、金沢市から保存建造物として指定されている。明治時代初期には加賀群青の壁を備えた書院造りの和室、大正時代には茶室、昭和年間には大広間を増築し、平成に入ってからは土蔵を板敷きの客室として整備したため、時代ごとの建築美を見て楽しむこともできる。
山縣社長は「女性は浴衣を着慣れているので、引っ張られて男性にも着ていただき、日本人らしい姿で夏を過ごしてもらいたい」と利用を呼び掛ける。心結の越田晴香代表も「浴衣を着たいために料亭に行くのか、料亭に行くために浴衣を着るのか、どちらでもいい。ぜひ、着るきっかけにしてほしい」と期待を込める。
料金は、浴衣レンタル料と着付け、会席料理の代金を合わせて1万500円。自前の浴衣を利用し、着付けのみを受ける場合は8,400円。8月31日まで。