金沢・野町-白山・鶴来間を走る北陸鉄道石川線に7月24日、「親子妖怪きもだめし電車」が登場し、カッパや一つ目入道など妖怪たちが、乗車した親子連れら約400人を怖がらせた。
肝試し電車は1年に1便だけの臨時便。始発駅である金沢市の野町駅から終点、白山市の鶴来駅までノンストップで走行し、約30分の乗車中、車内は「お化け屋敷」になる。
車両は全ての窓を暗幕でふさぎ、ブラックライトを設置した特別仕様で、青白い光の中、白山市の鶴来青年クラブ会員らが扮(ふん)するカッパや一つ目入道、赤鬼、手のひらに目があるのっぺらぼう、米国のホラー映画「13日の金曜日」から着想した「ジェイソン車掌」、同市のほうらい祭りに登場する「バクメン」など7種類の妖怪が次々に姿を見せた。
子どもたちはおどろおどろしい雰囲気の妖怪たちに「キャーッ」と金切り声を上げ、父親や母親に抱きついて泣き出す幼児も。金沢市明成小3年、加藤愛理さん(8)は「一つ目入道が一番怖かった。心臓が飛び出しそうだった」と声を震わせた。一方、同市扇台小3年の深山寧皇君(8)、井村匠人君(8)、寺井亮祐君(7)の3人はカッパに抱き上げてもらうなど、一見、「こわもて」の妖怪たちと打ち解けた様子。「お化けと遊べて楽しい」と口々に話していた。
肝試し電車は同線の利用客を増やそうと、北陸鉄道と鶴来青年クラブなどが企画した。事前に乗客にも扮装を呼び掛けており、とんがり帽子をかぶった小さな魔女や雪女、猫娘、幽霊などが車内に出没。周りの乗客の目を奪った。