インターネット上で総合旅行サイトを運営する「楽天トラベル」（東京都品川区）は6月1日、金沢市北安江1丁目に金沢支社を開設した。同社の支社は14カ所目。

　同社の展開するサービスは従来、ビジネスマンの出張利用が中心だった。増え続けているレジャー客の一層の取り込みを目指し、近年は全国で地方展開に力を注いでいる。特に、北陸は「送客数が比較的伸びているうえ、温泉旅館と観光地の数が多く、レジャーの面で見ても重要なエリア」と位置付けていることから、拠点開設を決めたという。

　金沢支社では事前に登録している 北陸3県の宿泊施設約800軒（5月末現在）を対象に、サイト上での人気プランを紹介するなど、宿泊施設向けのコンサルタント業務を行う。また、同社が実施する各種キャンペーンへの参加を呼び掛けるなど、北陸への送客数を増やしたい考えだ。 従業員は4人。サイト利用者に対する接客・案内は行わない。

　観光庁がまとめた2010年度主要旅行業者旅行取扱状況年度総計の速報によると、同社の同年度の国内旅行取扱額は約2,379億円（前年度比15.6％増）で、JTBに次ぎ業界2位だった。海外旅行などを含めた順位は業界6位。

　親会社である楽天（東京都品川区）の広報担当者は「これまでは地理的に遠いため、お客さまである登録宿泊施設の経営者の皆さんと直接、顔を合わせる機会は少なかった。支社開設により、地元との関係を深めたい」と話している。