宿の主人が語る金沢の文化-市旅館ホテル協同組合が講演会

講演する中野さん

講演する中野さん

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 金沢市旅館ホテル協同組合は11月27日、「宿の主人が案内する金沢の文化シリーズ『一宿一趣(いっしゅくいっしゅ)』」と題した講演会をスタートさせた。初回は長町研修塾(金沢市長町1)で旅館「一楽」(中央通町)の主人、中野成昭さんが「武具にみる加賀藩武家の見栄と美学」と題して藩政期の刀や刀装具を紹介した。

初めて開催された「一宿一趣」

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 同シリーズは、市内の旅館・ホテルに宿泊する機会がほとんどない市民に、それぞれの宿の良さを知ってもらい、知人・友人に利用を勧めてもらおうとの狙いで企画された。来年で創立150年という長い歴史を持ち、地元の文化を支えてきたと自負する同組合の組合員が講師となり、代々、家に伝わる名品や伝統工芸、過去に宿泊した著名人などについて話す。

 古美術愛好家である中野さんは太刀と刀、脇差しを合わせて6振りと刀装具を持参し、「刀の柄の目抜きは加賀象眼で、精巧な細工が施されている。武士はここに一番お金をかけた」などと話した。また、加賀藩は腕の良い象眼職人を50俵扶持(ぶち)で雇い、大小の刀を腰にさげさせ、城の中の細工所で仕事をさせていたと、同藩の工芸に対する思い入れの強さを説明した。

 聴衆約20人は実際に刀や脇差しを手にし、重さを確かめたり、細工に目を凝らしたりして、地元の歴史と工芸に理解を深めた。

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