北陸の空の玄関口である小松空港に来年3月から、台湾便が週2便体制で運航する見通しとなった。このほど台湾を訪れた石川県議会の友好交流訪問団に対して、エバー航空の陳欣徳社長が明らかにしたもので、台湾政府の許可も12月中旬には下りるとみられる。これで小松空港の国際線は、ソウル、上海に次いで3路線目となる。
陳社長によると、定期便は3月30日から木曜・日曜の週2便運航し、ダイヤは小松着18時40分、小松発20時10分を予定している。機材は252人乗りのエアバス330-200で、来年下半期からは使用機材を150-170人乗りに小型化する代わりに、週3便に増やす意向。
和田内幸三県議会議長を団長とする友好交流訪問団はこの後、日本の国土交通省にあたる台湾政府交通部を訪れ、張國政・民用航空局長と懇談した。この中で、張局長は「当初は、小松空港へのチャーター便実績が豊富な中華航空で内々定していたが、今年8月の那覇空港での旅客機炎上事故があり、中華航空は新規路線が1年間開設できなくなった」と説明し、その上で「エバー航空に優先権があり、エバー航空の意向を聞き、OKならはすぐに飛ばせる」と確約した。
エバー航空の提案書を台湾政府が審査して許可を出すのは12月中旬ごろと見られ、それを受けてエバー航空は、来年1月末には詳細な運航計画書を提出する運び。
石川県が台湾定期便の開設に力を入れた背景には、近年、北陸を訪れる外国人観光客の中でも台湾人が極めて多いという事情による。県内の旅行関係者によると、「台湾人は中流層が分厚く親日的で、温泉をはじめとする日本文化へのあこがれが強い。中国人の場合、海外旅行に出かけるのは限られた富裕層で、西欧や南国のリゾートに向いている」と話し、各旅館とも台湾人に焦点を絞った誘客の取り組みが顕著となっている。