東日本大震災発生からほぼ1週間がたち、石川県内の家電量販店やホームセンター、スーパーでも、懐中電灯などの防災関連用品が品不足に陥っている。
自宅用、あるいは被災地や計画停電が実施されている首都圏で暮らす家族・親戚に送るため、これらの品物を手に入れようとする県民は各店を探し回っている。
家電量販店「100満ボルト金沢本店」(野々市町)では15日、100本以上の在庫があった懐中電灯やランタン、携帯用のLEDライト、動力源となる単一電池、ラジオ、カセットコンロ、カセットボンベなどが売り切れた。自宅の防災用に必要とする客のほか、「東北や首都圏の親戚・知人、支店に届けるために買い求める個人、企業が多かったようだ」という。10台ほど残っていた石油ストーブも、県内の停電を心配する客らが購入し在庫がなくなった。その後、どの品もほとんど入荷がない。
17日にようやく小型LEDライト40本を入荷したところ、首都圏の知人に送るという来店客が10本をまとめ買い。「大きな懐中電灯はどこに行ってもない。知人は小さなものでも構わないので、安心するために少しでも明かりが欲しいと言っている」と話していたという。ラジオも16日・17日に若干入荷したが、陳列棚のほとんどはがらがら。高島広成店長は「こんなに品切れになるのは初めて」と驚きの様子をみせる。
「カーマホームセンター野々市店」(野々市町)でも大震災発生の翌日、懐中電灯と単一・単二電池、カセットコンロ、ペットボトル入りの飲料水、ポリタンクなどが売り場から姿を消した。その後は、メーカーが被災地を優先して出荷していることもあり、ほとんど入荷していない。
今後の入荷の見込みは全く立っておらず、同店では店内の各所に品切れを知らせる張り紙を掲示して来店客の理解を求めている。首都圏で暮らす息子のため、乾電池を買いに訪れた年配の女性は単一電池がなかったため、残っていた単三電池を購入。「これで役立つかしら」とため息交じりで話していた。
各店では「ずっと発注しているが思うように入荷できない。ご理解いただければ」と話している。