倶利伽羅(くりから)源平合戦の地・津幡町で9月24日までに、木曽義仲の「火牛の計」をモチーフにしたゆるキャラ「火牛のカーくん、モーちゃん」が誕生した。同町では、義仲と妻の巴(ともえ)御前を主人公にしたNHK大河ドラマの誘致活動に利用していく。
「火牛の計」は1183年5月、津幡町と小矢部市の県境に位置する砺波山(倶利伽羅山)で、義仲が平家軍を相手に行った奇襲作戦。角にたいまつをくくりつけた牛の大群が平家軍の中になだれ込み、数の上で劣勢だった義仲軍が勝利した。
「カーくん」「モーちゃん」は、この火牛の計で使われた牛をモデルにした着ぐるみ。「カーくん」はりりしい顔立ちの男の子で、身長1メートル75センチ。瞳部分はマジックテープで着脱でき、怒った表情に変えたり、目をつむらせたりすることができる。「モーちゃん」は、ずんどうの「メタボ体型」の女の子で、身長約2メートル。丸い目とピンクのほおが愛らしい、ほのぼのキャラとした。どちらも角に火の燃え盛るたいまつをつけている。
同町では昨年7月、大河ドラマ「義仲と巴」の制作・放映を実現しようと誘致推進協議会を組織し、富山県や長野県などとともにNHKに働きかけている。ゆるキャラは、この誘致活動と同町の歴史を町内のみならず県外に周知するためのシンボルキャラクターとして製作した。2体は、応募のあった59点の中から優秀賞に選ばれたデザイン。
町立実生保育園の5歳児25人に22日、一足早くお披露目したところ、園児は「かわいい」と歓声を上げてそばから離れず、同町職員は「全国区のゆるキャラ並みに大活躍してくれるのでは」と期待を膨らませていた。
今後、同町文化会館シグナス5周年イベント(10月1日)や、町内で開催される大河ドラマ誘致推進シンポジウム(12月23日)などに登場する予定。