日本酒愛好家の間で人気を集めている秋の限定酒「石川ひやおろし」が9月9日、県内の酒販店で一斉に発売された。
同酒は、冬に醸造した清酒をひと夏越して熟成させ、飲みごろとなった秋口に生詰めしたもの。搾りたての時には荒々しかった味が丸みを帯びて優しい味わいになるのが特徴。「石川ひやおろし」は県酒造組合連合会、県卸売酒販組合、県小売酒販組合連合会が2007年から一斉発売を始めた。4年目となる今年、過去最多となる27銘柄が出そろった。
同組合では、料飲店への拡販や生詰めならではの酒の品質を保持するため鮮度物流に力を入れるなど努力を重ね、昨年は目標の2万本に対し2万1千本を売り上げるなど徐々に認知度を上げている。今年の販売目標は3万本。
9月9日を一斉発売日としたのは、酒を酌み交わし長寿を祝う重陽の節句が同日であることから解禁日としてイベント性を持たせるため。今年新たに加わったのは、金紋酒造(小松市)、松浦酒造(加賀市)、鳥屋酒造(中能登町)の3銘柄。解禁日翌日の9月10日に片町で行われた無料試飲イベントには会社帰りのサラリーマンなどが多く訪れ、各蔵の味わいを試した。
同組合事務局長の佐竹さんは「昔と比べ日本酒の需要は減ったが、秋の訪れを告げる『石川ひやおろし』の認知度は上がっている。今後も料飲店への拡販やイベントなどを通じて、多くの人に魅力を伝えたい。将来的には、1シーズン5万本の売り上げを目指したい」と話す。
全銘柄とも720ミリリットル入り。価格は1,050円~2,700円。予約は県内の酒販店で受け付けているる。問い合わせは同組合(TEL 076-251-2115)まで。