珠洲焼の若手作家・宮脇まゆみさん、金沢で作品展「珠洲の黒」

石川県立伝統産業工芸館で開催されている企画展「珠洲の黒~しこたろ窯からの贈物」

石川県立伝統産業工芸館で開催されている企画展「珠洲の黒~しこたろ窯からの贈物」

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 石川県立伝統産業工芸館(金沢市兼六町、TEL 076-262-2020)で現在、企画展「珠洲の黒~しこたろ窯からの贈物」が開催されている。

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 珠洲焼は須恵器の技法を受け継いだ焼きもので、鉄分の多い土を還元焔燻べ焼き(かんげんえんくんべやき)で焼き上げるため灰黒色に仕上がる。釉薬(ゆうやく)をかけず、松や雑木を使い高温で焼くことで、まきの灰が自然釉の役割を果たす。土、窯(かま)、薪、温度、窯詰のどれが違っても違わなくても同じものはできないと言われ、窯から出てきた「黒」に同じものはなく、使うほどに色合いも変化する魅力がある。

 「同じ県内でありながら、金沢から遠い珠洲で生まれた『珠洲焼』の魅力をより多くの人にも知ってほしい」と同館が企画し、若手珠洲焼作家の宮脇まゆみさんに声をかけた。会場には、皿・コップ・小鉢・花入れ・酒器・香立など約50点の作品が並ぶ。金沢出身の宮脇さんは珠洲焼研修塾や珠洲市陶芸センターで学び、昨年能登町で「しこたろ窯」を築窯、独特で味わいのある「珠洲の黒」にこだわり制作活動を続けている。

 会場では平日、宮脇さんの制作風景も披露するほか、関連イベントも予定する。宮脇さんが講師を務めるワークショップ「珠洲の土で作ろう、マイはし置き」(9月18日・19日・20日、10時~12時・13時~15時、送料のみ実費)、珠洲焼きのビアマグでビールを味わえる「ゴクッ、うま!珠洲焼ビアマグ+ビールの夏」(18日・19日・20日、10時~16時)など。

 同館の柳井篤子副館長は「作品を実際に手に取り、その魅力を感じほしい。来館者が気軽に参加できるイベントを積極的に企画することで、伝統工芸に従事している人の刺激にもなれば」と話す。

 開館時間は9時~17時。第3木曜休館。9月30日まで。

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