石川県立伝統産業工芸館(金沢市兼六町、TEL 076-262-2020)で現在、ティッシュペーパーを使って作った精緻(せいち)なカブトムシやオニヤンマなどの作品が並ぶ夏休みファミリー企画「昆虫工芸館-駒宮洋の昆虫ワールド」が開催されている。
会場にはこのほか、スジクワガタ、トノサマバッタ、アブラゼミ、チョウの「オオゴマダラ」、ナナホシテントウなどが並ぶ。約35種80匹が野山を再現した箱庭の中などに配置された。
制作者の駒宮さんは埼玉県生まれのアーティストで、これまでにティッシュペーパーを使い80種類以上、230匹の昆虫を制作してきた。今回、展示されたのはこの一部。
作品は、すべて設計図を描いたうえで、肢(あし)、頭部、胸部、腹部、触覚、翅(はね)など一つひとつのパーツを作り、最後に組み立てて色を塗り完成させる。例えば、ティッシュペーパーの一片をこよりのようにねじって形づくった肢は、ツメの細部まで忠実に表現。さらに、小さな毛を幾本も張り付けて本物さながらに仕上げてある。
虫たちはすべて実物大で、テントウムシは広げた翅(はね)の先までの大きさがわずか9ミリ。来場した家族連れらは、身近な生活用品を生まれ変わらせた見事な手技に見入っていた。
8月21日・22日には、駒宮さんを講師に招き、昆虫制作ワークショップも開催する。参加者は、テントウムシとサクランボ制作を体験することができる。参加無料で、定員は各日15人。希望者は同館まで事前に申し込む。
開館時間は9時~17時。入場料は、大人(18歳以上)=250円、65歳以上=200円、小人(17歳以下)=100円。8月19日は休館。今月29日まで。