ガラスペン開発者の技術を受け継ぐ佐瀬勇さんの新作ガラスペンと、佐瀬さんのガラスペンを使ったペン画を展示する企画展「初夏の便りをガラスペンで」が7月7日より、ギャラリートネリコ(金沢市池田町、TEL 076-231-2678)で始まった。
ガラスペンは日本発祥の筆記用具で、明治35年に風鈴職人の佐々木定次郎さんが開発した。佐々木さんの下で修業した先代より技術を引き継いだ佐瀬さんは、佐々木さんの孫弟子にあたり、創始者直系の唯一の後継者。ガラスペンは、ペン先の溝から毛細管現象によってインクを吸い上げる仕組みで、書くときはペン先の方向を選ばず墨汁も使用できる。1回インクをつけるとハガキ1枚分の文章が書けるほどのインクの持ちのよさが特徴。佐瀬さんは、平成元年にペン先から軸までがガラス製の一体型ガラスペンを開発し、ひねり模様の美しさなどから美術品としても評価されている。
ペン画を手がけるのは、金沢市在住の中川奈々子さんとTONELLICO Rieさんで、中川さんの作品には彩色が施されている。
同展では、佐瀬さんのガラスペン4種類(太さは各2種類)とペン画約40点が展示される。会場では、ガラスペンの試し書きができる。
同ギャラリーの細川伸子代表は、「佐瀬さんのガラスペンは、見た目の美しさはもちろん、書き味の滑らかさが抜群。ガラスペンはさびる心配がなく、インクの色を変えるのが簡単なので、その時その時の気分で色を変える楽しみ方もできる」と話している。
開廊時間は11時~18時30分(日曜のみ12時30分から)。7月16日まで(11日休廊)。