種まきから収穫まで一連の農作業を体験する「いしかわの農業学ぼうコース・秋期コース」の収穫が11月1日、河北潟干拓地で行われた。
いしかわの農業学ぼうコース・秋期コースには、子ども連れの30代やリタイア生活を楽しむ60代を中心に80組約150人が参加。8月下旬に種まきや苗の植え付けを行い、9月に間引きや草取りを行った。この日は最終日ということで、補助員の指導を受けながらダイコン、ハクサイ、ブロッコリー、カボチャの収穫を行った。カボチャは干拓地ならではの強風を受けて生育不足だったが、ダイコン、ハクサイは天候に恵まれたことから「市場に並んでいるものに比べても遜色(そんしょく)ないでき」(同財団スタッフ)。参加者は大きく育った野菜を腕に抱えて顔をほころばせた。
いしかわの農業学ぼうコースは、いしかわ農業人材機構が今年4月から開講している「いしかわ耕稼塾(こうかじゅく)」の一環として行うもの。就農希望者や現役農家を対象にしたコースと並行して、広く県民向けに農業への関心と理解を深めてもらう農業体験コースを設け、プロ農業者から農業の応援団まで幅広い人材を育成することを目指す。耕稼塾の名は江戸時代に農業指導に優れた手腕を発揮した加賀藩の土屋又三郎が著した農業経営指南書「耕稼春秋」に由来する。
いしかわ農業人材機構では、来年度も同様の夏期・秋期コースの開講を予定。同財団の参事兼統括コーディネーターの島田義明さんは、参加者から「体験だけでなく、もっと農作業を学びたい」「作った野菜を販売したい」などの意見が寄せられたことから、「農家と非農家をはっきり線引きするのではなく、その間にいる人々のニーズを取り込むことで石川の農業全体が元気になるのでは」と期待を寄せている。