金沢で「手前みそプロジェクト」始動-限界集落で畑の開墾に着手

土中に埋もれた石や根を取り除く参加者ら

土中に埋もれた石や根を取り除く参加者ら

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 金沢市で活動するNPO法人39(サンキュー)アースが主宰する「手前みそプロジェクト」が4月から本格始動し、同12日・13日には参加者らが金沢市の山間部にある内川地区の畑で汗を流した。

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 「日本人は米と大豆があれば生きていけるといわれている。大豆は大切なたんぱく源だが、自給率はたったの5%。しかも遺伝子組換えでない大豆はどんどん少なくなっている。大事な大豆を自分たちの手で作ってみませんか」――。畑の開墾から始めて大豆を栽培し、収穫した大豆でみそを手作りする試みを呼びかける同NPO法人の「手前みそプロジェクト」に市民34人が手を上げた。

 同NPO法人は金沢市の助成を得て、限界集落とされる金沢市内川地区の新保町に30アールの畑を開墾。この日は参加者とその家族ら約30人が集まり、土中に埋もれているススキやクズの根、大きな石などを掘り起こし、一輪車で畑の外に運び出す作業に当たった。近くには水田や小さな沢もあり、オタマジャクシを捕まえたり、水遊びをしたりして、泥だらけになって遊ぶ子どもの姿も。

 タケノコの特産地である内川地区の竹を使って竹チップを作り、エネルギーを循環させる事業に取り組んでいる同NPO法人が今回開墾した土地は、数カ月前までは大人の背丈ほどあるススキが広がっていた休耕畑で、重機を入れるとクマの巣穴も見つかったという。「畑は放っておけば山に返ってしまう。休耕畑を使ってほしい農家も、利用したい人もたくさんいるけれど、今は情報が足りない状況。情報をうまく発信して中山間地の活性化につなげたい」とメンバーは話す。

 今後、5月末に種まきを行った後、土寄せ、草むしりなどの作業を行う。基本的に参加者が自分の畝(うね)を管理するが、同NPO法人や新保町の農家も協力する。夏に枝豆として楽しんだ後、10月には本格的に収穫し、足踏み脱穀やはさ掛けなど伝統的な農作業も体験する予定。みそを仕込むのは来年1月・2月。「手前みそ」が完成するのはまだまだ先だが、参加者らは「畑に来て土に触れること自体を楽しみたい」と語り合っていた。

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