築100年の町家がギャラリー&カフェに-浅野川べりにオープン

時を経た町家ならではの存在感を醸す店内

時を経た町家ならではの存在感を醸す店内

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 金沢の「女川」と呼ばれる浅野川べりにたたずむ築100年の町家が、アートギャラリー&カフェ「彗星倶楽部」(金沢市桜町5、TEL 076-264-0088)に生まれ変わり、2月3日にオープンした。

2階のスペース。窓の奥には浅野川が流れる

 同店は2階建てで、延べ床面積は約125平方メートル。民家として建てられ、2000年ごろから昨年8月まで「割烹森泉」として使用されていた。彗星倶楽部は、自らもアーティストである中森あかねさんが1998年1月に同市内の繁華街、片町にバーとしてオープン。店内の白い壁をアートスペースとして活用し、30人を超える県内外のアーティストが同スペースで作品を発表した。今年1月、同地での11年にわたる営業を終えた後、現在地へと移転した。

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 民家の造りを生かしたままに利用されてきた店内は、年月を経た木の色合いや昔ながらのしつらえが水辺のロケーションと相まって、落ち着いた雰囲気を醸している。玄関を入ると、正面の窓の向こうには浅野川の水面が映し出され、右手は壁の凹面に設けた白いスペースに作品を展示する。左手に進むと2階部分へとつながる階段とカフェスペースが広がる。カフェスペースはカウンター席と掘りごたつ式のテーブルを備えた和室がある。ガラスで大きく切り取られた壁面からは川の流れが一望でき、冬は雪景色、春は桜、夏は青葉、秋は紅葉と、移ろう風景を居ながらにして楽しめる。

 カフェでは、東出珈琲店(十間町)の自家焙煎(ばいせん)の豆を使ったコーヒーや、中国のラプサンスーション、スリランカのディンブラ、インドのダージリンなどの紅茶のほか、ビール、オーガニックワインやおつまみ、イタリア料理店「ラ・ヴィータ」(泉が丘2)のプリン、能登の農家による無農薬栽培の玄米を使った粥(かゆ)などを提供。今後は企画ごとにメニューを変えたランチなども展開していく予定。

 2階の和室は眼下に水面が広がり、川床のような風情を呈している。同フロアは多目的の貸しスペースとしての活用を予定しており、「作品発表のほかにも、お茶会や香席、ワインの試飲会など、いろいろな催しを企画して楽しんでもらえれば」と中森さん。

 オープニング企画展「森と泉と彗星と」では、金沢市と東京、名古屋の13人のアーティストの絵画や彫刻、ガラス、フォトインスタレーションによる掛け軸などの作品と、吉多陽子さんによる生花が時を重ねた空間に新たな彩りを添えている。

 今月7日には作家を囲んでのパーティー(参加費1,000円)、同14日には涅槃会(ねはんえ)にちなんだ予約制の香席(参加費2,000円)、同28日は「雪見酒の日」として、窓の外に広がる景色を眺めながら火鉢で肴(さかな)をあぶって楽しむ会を開く。

 中森さんは「ホワイトキューブではなく『THE金沢』と言えるようなかたちで、ここでしかできないこととアートを組み合わせていきたい」と意欲をみせる。

 営業時間は11時30分~19時。月曜・火曜定休。駐車場あり。オープニング展の開催は3月1日まで。

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