NPO法人ジャパン・ハーブ・ソサエティー金沢支部は12月23日、金沢市民芸術村で「ハーブの集い」として石川県の特産品「マコモ」を使った「しめ飾り作り」教室を開催した。
当日は、日本特産農産物協会の地域特産物マイスターで、マコモ生産では第一人者として知られる得野隆継さんを講師に招き、正月用の「しめ飾り」を手作りして新年を迎えたいと集まった参加者が熱心に取り組んだ。
マコモは金沢に隣接する津幡町の特産品で、近年食材として関心を集めている。細いタケノコ状の茎は「マコモタケ」と呼ばれ、9~10月ごろに出荷のピークを迎える。サクサクとした食感とほのかな香りが特徴で、シンプルに焼いてバターしょうゆで味付けを行うのが絶妙。マコモはイネが日本に到来する前から穀物として利用され、神社でも重宝された神聖な植物という。「病気を癒すもの」「邪気をはらうもの」などの言い伝えがあり、古事記や万葉集にも記された歴史がある。中国では「チャオバイ」と呼ばれ、主に食用とされている。同団体金沢支部の支部長でインストラクターを務める鯉野叔子さんは「マコモは古い歴史を持つハーブで、食用をはじめ日常生活の中でいろいろな効用や使い道がある優れた素材」と説明する。
「しめ飾り作り」に取り組んだ参加者は、手足をフルに使い体全体で作業を進めた。「マコモを扱うのには意外と体力がいるので驚いた」「いい香りに包まれ作業することができ、良い新年を迎えられそうだ」「思ったより難しい技術がいる」などの感想が聞かれた。
講師の得野さんはマコモの魅力について「マコモとの付き合いは長いが、生活に取り入れるようになり風邪もひかなくなった。茎は食用、葉の部分は入浴や日用品に使えるエコなもの。マコモの魅力をより多くの人に知ってほしい」と話す。
同団体は、ハーブを通して社会貢献活動に参加しながら楽しくハーブを広めることを目的としている。金沢支部は2006年4月、全国で18番目に設立され、現在23人の会員が在籍。養成校を卒業したインストラクター10人を中心に、「タンポポコーヒー」「スパイスの歴史」「マルセイユ石けん」「ハーブを使った菓子作り」などをテーマに、勉強会や講習会を重ねている。