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金沢で泉鏡花文学賞の授賞式 受賞作家の原田マハさん「憧れの賞」

記念品の「八稜鏡(はちりょうきょう)」を手に笑顔を見せる原田マハさん

記念品の「八稜鏡(はちりょうきょう)」を手に笑顔を見せる原田マハさん

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 第52回泉鏡花文学賞の授賞式が11月9日、金沢市民芸術村パフォーミングスクエア(金沢市大和町1)で受賞作家の原田マハさんを招いて開かれた。

授賞式の様子

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 受賞作の「板上に咲く」は、世界的な木板画家・棟方志功を志功の妻・チヤの視点で描いた作品。ゴッホに憧れ、画家を目指して上京した志功が、油絵から木板画に道を変え、「世界のムナカタ」になっていくまでの様子や、それを支えた愛情を描いた。五木寛之さんや綿矢りささんら6人が選考委員を務め、チヤの視点と作家自身の視点を重ねた構成力が高く評価された。

 当日は、選考委員の綿矢さんが作品を講評。「語り手の視点が次々と変わっていっても滑らかに読める。苦労の末、奇跡のような出会いが起きるが、読んでいて鳥肌が立った。内容の素晴らしさを語り出すと止まらない作品」と話した。

 スピーチで、原田さんは「泉鏡花文学賞は、うそ偽りなく憧れの賞。ロマンあふれるユニークな作品に授与されると聞いていた。仲間入りを許されたのなら、こんなにうれしいことはない」と笑顔を見せた。「棟方志功とチヤは実在の人物」と強調し、招待されていた志功の孫の棟方良さん・石井頼子さんが紹介されると、会場は大きな拍手に包まれた。執筆については「革新的な芸術を生み出すことに挑戦し続けた志功の内面に迫るには伴侶・チヤの視点がふさわしいと思った。執筆中、壁が立ち上がる度に、いかなる壁をも乗り越えた志功自身に励まされた」と振り返っていた。

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