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新たな「死」の形を考える米コロンビア大の研究を展示 金沢21世紀美術館

展示内容について解説するコロンビア大学のカーラ・マリア・ロススタインさん

展示内容について解説するコロンビア大学のカーラ・マリア・ロススタインさん

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 新たな死の形を探求する米コロンビア大学の「DeathLAB:(デスラボ)」が現在、「金沢21世紀美術館」(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で「DeathLAB:死を民主化せよ」と題し研究内容を展示している。

【VRで読む】金沢21世紀美術館で開催中の「DeathLAB:死を民主化せよ」

 IT技術の浸透、グローバル化に伴う多文化の流入、過剰な人口集中、核家族化、少子高齢化、環境問題などにより、死と都市を取り巻く環境が大きく変化する現代において、デスラボではこれらの問題に正面から向き合う。環境・時間・空間という都市の制約に対応できる死の未来を、宗教学・建築学・地球環境工学・生物学などを横断し探求する「死の研究所」として世界的に注目されている。日本でも無縁死の増加、葬儀の省略、自然葬の再評価など追悼のスタイルは多様化しつつある。

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 2013年にデスラボを創設した建築家で教育者の同大准教授、カーラ・マリア・ロススタインさんはこれらの課題に取り組み、同展ではその活動を映像と建築模型で紹介する。ラボの概要と使命の紹介、哲学・宗教・建築・環境・歴史保存などのさまざまな専門家との「死をめぐる対話」を映像で、死の未来の形を提案するプロジェクト「星座の広場」を3Dプリントの建築模型で展示する。

 「星座の広場」は、ニューヨークとブルックリンをつなぐマンハッタン橋の下に光のひつぎをつり下げ、数千の発光するひつぎから広場を創る構想。ひつぎの中に無数のバクテリアを住まわせ遺体を1年かけてゆっくり分解しメタン生成のエネルギーによって発光するひつぎを星に見立てる。死者への祈りは個別のひつぎではなく星座のように集合する光にささげられ、過去を築き上げてきたさまざまな人々への敬意を象徴する記念碑をイメージする。

 今回の展示は政治や経済的な制約、民族や宗教を超えて「全ての死者が平等に、生きる人々とその未来を照らす光になる」という意味で真に民主的な死を生み出そうとする挑戦と位置付け、「死」と「葬送」の本質とは何かを問い、現代の都市文化に見合う「生と死の循環」の実現について考える機会を提案する。

 開場時間は10時~18時。休場日は月曜(10月8日・29日、12月24日、来年1月14日、2月11日は開場)、10月9日、12月25日、12月29日~来年1月1日・15日、2月12日。入場無料。3月24日まで。