自らが金沢に移住し、起業により成功した経験を持つ企業家らが、これから金沢市に移住し、起業や就職を考える人をサポートする事業「金沢移住計画」への参加者募集を始めている。
金沢へ新たに移住して起業を目指す人のハードルを下げることを目的とする同事業を運営するのは、起業家支援を行う「シナジーコンサルティング」(金沢市西泉3)の社長・河上伸之輔さんと、行政書士の上口泰広さんら。ホームページなどで「働く=農業や漁業など担い手を必要としている就職先の紹介」「住む=同社の管理する不動産などの紹介」「暮らす=観光だけではない、金沢市民による生活情報の紹介」などを掲げ、短期間の試し住みや就職支援など広く活動していくという。
同事業の目玉の一つが、今回の金沢に移住して起業を予定する人の募集で、応募者の中から選考した3人~5人に河上さんが所有する市内のワンルームアパートを半年から最大2年間、家賃無料で貸すという。コワーキングスペース「シナジースペース」の1年間無料利用と、起業支援も行う。応募期間は2月20日~3月31日で、年齢、性別、国籍は問わない。支援契約の途中解除や終了後の制約なども一切ないといい、募集開始後は、海外からの問い合わせもあったという。
京都出身の河上さんも、かつて東京の証券会社に勤めていたが、金沢へ移住し起業した一人。現在、全国にチェーン店を展開する「世界で2番めにおいしい焼きたてメロンパンアイス」の運営会社社長なども務める。「住む場所を移して、自分の気に入った場所で起業するには住居や事務所のことだけでも悩みは尽きない。新たなチャレンジをしたい人が移住しやすいようサポートできれば」と話す川上さん。金沢という場所についても「今はどこで起業しても場所的な面では変わらない、金沢は適度な狭さがある街。ちょっと頑張れば応援してくれる人はいる。地元の人にかわいがってもらうのが秘訣(ひけつ)」と語る。
応募はホームページから受け付ける。