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企画展「巧術」金沢初開催へ 吹きガラス・漆など県内3作家も出展

泉鏡花の世界をテーマにした山本タカトさんの作品

泉鏡花の世界をテーマにした山本タカトさんの作品

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 金沢の「ギャラリー点」(金沢市入江2、TEL 076-292-2140)で11月6日、企画展「濫觴(らんしょう)~巧術其之陸(こうじゅつそのろく)」がスタートした。

【パノラマ】 展示会場の様子

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 同展のキュレーターを務める、東京のギャラリー「レントゲンヴェルケ」代表・池内務さんは「現在の日本美術はマーケット先行の一部の作家のみがもてはやされ、文化、あるいは表現としての在り様は閉塞(へいそく)感に満ちていると言っても過言ではない」と話す。日本美術の特性である細やかな「技巧」を武器に新しい価値観を目指すことを目的として企画したのが、企画展「巧術」。これまで東京で5回行い話題を集め、今回初めて金沢で開催する。

 会場には、同展おなじみの作家15人と県内作家3人の計18人による約60点が並ぶ。県内からは、ガラス作家・高木基栄さんの吹きガラスのオブジェ、漆工芸作家・山岸紗綾さんの架空の種に見立てたアクセサリー、金沢美術工芸大学の太田翔平さんの仮面をテーマにした漆作品を展示する。

 常連作家のうち、金沢の三文豪・泉鏡花の小説「草迷宮」の挿絵を手掛けた画家・山本タカトさんは、鏡花の世界をテーマにした優美なイラストを出展。このほか佐藤好彦さんの音楽へのリスペクトを込めた12連のギター、児玉香織さんの料理をテーマに方眼紙に描いた線画、悠さんの切り絵を糸で留めた繊細な作品、満田晴穂さんのリアルな昆虫の自在置物、水野シゲユキさんの建物が朽ちていく様を表現したジオラマなど、技巧を凝らした作品が並ぶ。

 池内さんは「細やかな技巧は伝統工芸が根付いている金沢に通じるものがあると思う。よく見ると新しい発見や驚きがあるはず。特に工芸に携わる方、興味がある方に見てもらいたい」と来場を呼び掛ける。

 開館時間は12時~18時。入場無料。木曜日休館。11月25日まで。

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