石川県ふれあい昆虫館(白山市、TEL076-272-3417)に9月11日、スズムシなどの鳴き声を鑑賞できる「虫たちのコンサートルーム」が開設された。来館者は秋の訪れを告げる美しい「大合唱」に聴き入っている。
主役は、スズムシ20匹、エンマコオロギ20匹、クツワムシ2匹、アオマツムシ5匹。まだ見ぬ恋人を思い、体を震わせ、羽をこすり合わせて「リーン、リーン」「コロコロリー、コロコロリー」「ガチャガチャ」と奏でる「情熱の歌」が室内に響く。
「スズムシとエンマコオロギはソプラノ、アオマツムシはアルト。クツワムシはベースで、洗濯板をすりこぎでこすったような声。鳴く姿も間近で見てほしい」と技師の大宮正太郎さん。
虫たちは通常、夜通し鳴くが、同ルームでは日中、窓に暗幕を張って電灯を消し、夜には明かりをつけて昼夜を逆転させてあるため、開館時間中の朝から夕方まで鳴き声を楽しむことができる。虫たちが感知できない赤色のライトと椅子も備え、来館者はゆったりと座って虫たちのステージに耳を傾けている。
開館時間は9時30分~17時(11月~3月は16時30分まで)。火曜休館。10月14日まで。