独創的な食品の研究開発を行う日本海藻食品研究所(金沢市本江町)が12月15日、画期的な弁当容器の構造を開発し、特許を申請したと発表した。
日本海藻食品研究所が開発した、上下におかずが入れられる弁当容器
同社が考案した弁当容器の構造は、内部を水平に区切って上下両方にふたを付けるというもの。これにより異なるおかずを背中合わせに入れることが可能になる。一方のふたを開ければ焼きそばがあり、ひっくり返してもう一方のふたを開けるとすしが顔をのぞかせる―同社の白石良藏会長によれば、この構造で特許を申請しようと弁理士に相談したところ、「シンプルだが今まで誰も思いつかなかったアイデアだ」と驚かれたという。
きっかけは2014年度の北陸新幹線開通をにらんだ「ご当地弁当」の開発だった。同社では産業廃棄物として大量に捨てられているおからを活用した食品の研究開発に力を入れており、金沢駅の名物駅弁にしようと、おからで作った油揚げを主役にした弁当の開発に取り組んでいた。
「海藻や地元産の野菜を混ぜたすし飯に、おからの油揚げを乗せた『あげめし』を試作したのだが、味は好評でも見た目が地味だったため、弁当容器に工夫をしようと思いついた」(白石会長)。
同社によれば、容器の製作にかかるコストは従来とほぼ変わらないという。白石会長は「中身も容器も金沢産の駅弁を発信することはもちろん、たくさんの人に『ひっくり返して二度おいしい弁当』の遊び心を味わってもらえれば」と笑顔を見せる。