金沢市と近郊の11ギャラリーが一斉に「工芸」をテーマとした展覧会を独自の企画で展開する「工芸未来派サテライト」が9月9日まで開催されている。
「ギャラリー点」で開催されている「山本優美 個展~空気の記憶」の会場風景
市内に点在するギャラリー巡りをすることで、金沢に根付く工芸・美術の魅力をPRする同企画。金沢21世紀美術館(広坂)で開催中の企画展「工芸未来派」と連動し、NPO法人「金沢アートグミ」(青草町)が各ギャラリーに呼び掛けた。
市内・近郊のギャラリーが一斉に展示を企画するのは初で、陶器・漆器・染織・ガラスなど多分野で約70人の作家が参加する。企画を通じて、美術館・作家・ギャラリー間の新たなネットワークを創出する狙いもある。
参加するギャラリーは、「Kapo」(小将町)、「ギャラリートネリコ」(池田町)、「as baku」(博労町)、「ギャラリー点」(入江)、「問屋まちスタジオ」(問屋)、「ガレリアポンテ」(野町)、「ギャラリーアルトラ」(下堤町)、「金沢アートグミ」(青草町)、「ギャラリー ルンパルンパ」(野々市市)、「カフェ&ギャラリー ミュゼ」(柿木畠)、「collabon」(安江町)。
このうち、「ギャラリー点」(入江)で開催されているのが、若手陶芸作家・山本優美さんの個展「空気の記憶」。会場には、靴・クッション・ワンピースなど、日常生活で何気なく目にするアイテムに内在する人の気配や記憶などの感覚を「陶」という素材で表現した作品約20点が並ぶ。中古の衣服や日用品のシワやゆがみなどを観察し、その形状や細部を粘土で成形しながら彫り制作活動する山本さん。「世界をどのように感じることができるか、どのように見ることができるかという点に興味がある」と話す。
開場時間は12時~19時。木曜休館。7月29日まで。山本さんによるアーティストトークは、22日14時~。