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金沢・東山などでかなざわ燈涼会「趣膳食彩」-工芸作家が食空間を演出

「趣膳食彩」の当日、器として利用する自作の筥(はこ)を手にする中村さん

「趣膳食彩」の当日、器として利用する自作の筥(はこ)を手にする中村さん

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 金沢の風情ある街並みと食文化、工芸どころとしての蓄積を県内外にアピールするイベント「かなざわ燈涼会(とうりょうえ)」が7月29日~31日、金沢市のひがし、主計(かずえ)町両茶屋街と下新町、袋町周辺で開催される。

会場となる「十月亭」

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 このうち、工芸作家がコーディネートした食空間で上質の料理を味わえる「趣膳食彩(しゅぜんしょくさい)」は会場数を昨年の2カ所から5カ所に増やし、市民や観光客ら計60人を迎える。

 かなざわ燈涼会の主催は金沢青年会議所で、開催は昨年に続き2回目。「趣膳食彩」は国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「創造都市ネットワーク」に登録するなど、国内外で実力を認められている金沢の工芸と、「食通をうならせる」料理を組み合わせ、観光客を呼び込もうと企画された。

 協力する工芸作家は、陶芸家の中村卓夫さんと大樋年雄さん、岡田直人さん、竹村友里さん、ガラス作家の辻和美さんの5人。いずれも県内を拠点に活動しており、金沢21世紀美術館の秋元雄史館長が推薦した。5人はそれぞれ日本料理の「十月亭(じゅうがつや)」(東山1)、「金城樓」(橋場町)、加賀料理の「壽屋」(尾張町2)、西洋料理の「くりゑンテ」(東山1)、「鮨(すし) みつ川」(同)を会場に、個性的な演出を繰り広げる。

 英ウェッジウッド社とコラボレーションした経験もある中村さんのテーマは「水」。料理を楽しみながら、十月亭の坪庭に立てた土壁が水の力で時々刻々と姿を変えていく様を見てもらう趣向だ。これに先立ち、漆芸や籠、ガラスなどの職人で作るグループ「C-unit(シー・ユニット)」がこの日のために作った釜、茶入、水指、茶しゃくなどを使って冷たい抹茶を点て、参加者をもてなす時間も用意する。

 中村さんは「あらゆる職種の職人がかいわいに住んでいて、一つの演出のために力を合わせられるのは工芸都市・金沢の強み」と話し、当日に向けて入念に準備に取り組んでいる。

 かなざわ燈涼会ではこのほか、町家を工芸ギャラリーとして開放する「浅野川工芸回廊」、照明オブジェで街並みを照らし出す「浅野川月見光路(つきみこうろ)」、神社を会場にしたコンサートなども行われる。工芸回廊、月見光路、コンサートは入場・観覧無料。

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