加賀伝統野菜の一つ、サツマイモ「五郎島金時」の焼き芋を扱う自動販売機が産地である金沢市粟崎町の金沢市ものづくり会館にお目見えし、人気を集めている。
自動販売機内の一角に並べられた焼き芋(上段)とゴリのつくだ煮(下段左)
この自販機は、五郎島金時を遠赤外線オーブンにかけて焼いたものをパック詰めにし、常温で保管している。「温めなくてもおいしい。焦げがつかないよう焼いているので、皮ごと丸かじりして、五郎島金時の甘味を味わって欲しい」と、製造した農業生産法人「かわに」の河二敏雄社長は語る。
同館の周辺にはサツマイモ畑が広がっており、収穫体験に訪れる市民も多い。自慢の味を産地で食べてもらおうと、パンと菓子の自販機の一部を借りて、焼き芋の販売を始めた。 自らも五郎島金時の生産、販売、加工をおこなう同社の協力により、JA金沢市五郎島さつまいも部会の生産者が育てた五郎島金時による焼き芋自動販売機が実現した。
焼き芋は120グラム(180円)、300グラム(340円)、500グラム(570円)の3種類を用意し、4月16日の自販機の導入以来、5月末までに221パックが売れた。
これに気をよくした同館は6月1日から、同市大野町で製造されているしょうゆを使って大畑食品(湊3)が作るゴリのつくだ煮の取り扱いも始めた。「近郊の企業が作る金沢らしい食品」という基準で選んだという。利用者からは「街中のデパートまで行かなくても、つくだ煮を買えるようになり便利」と喜ぶ声が聞かれるという。
同館の武田丈八担当課長補佐は「金沢港に行けばカニを売っているように、五郎島や粟崎に行けば五郎島金時を売っていると思って足を運んで頂きたい」と来館を呼び掛けている。
開館時間は9時~21時。入場無料。焼き芋の販売は6月9日まで。その後、8月末まではサツマイモプリンなどを置くことにしている。