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「加賀百万石盆正月」初開催へ-百万石まつり60回記念で

加賀百万石盆正月のイメージ図(金沢市提供)

加賀百万石盆正月のイメージ図(金沢市提供)

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 北陸の初夏を華々しく彩る「金沢百万石まつり」が6月3日~5日、金沢市内を会場に行われる。

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 今年は60回の記念の年に当たることから、江戸時代に藩主一家の婚姻や嫡子誕生、官位昇進などを祝って城下を挙げて行われた「盆正月」の再現イベントを4日・5日、金沢城公園(丸の内)で初めて開催する。

 主催の金沢市によると、藩政期の金沢には多くの職人が暮らしていたことから、盆正月の城下には住民手作りのオブジェがいくつも並べられ見物人を楽しませた。祇園囃子(ばやし)などの催し物もにぎやかに繰り広げられ、その名の通り、盆と正月が一緒に来たような盛り上がりだったという。

 今回は、こうした藩政期の光景を同公園内に再現する。ちょうちんを軒先につるした町家風のテントを設置し、金沢美術工芸大学が手掛けた「平成の加賀獅子(じし)」や市児童館に通う子どもたちが廃物を利用して作った「昇龍」、わら細工の宝船・米俵などの「造り物」を展示。みこしや、加賀鳶(とび)の歴史がある市消防団のまといと法被、郷土の玩具「旗源平」などの地元に古くから伝わる品々、金沢仏壇、加賀友禅、金沢箔(はく)、和菓子をはじめとする伝統工芸品もまとめて公開する。併せて、城内の御膳所を任されていた老舗日本料理店「大友楼」は「殿様の正月御膳」を出展。

 会場では瓦版がまかれ、籠を担いだ物売りも登場し雰囲気を盛り上げる。

 市観光交流課の桑原秀忠課長補佐は「加賀藩は幕末まで一度も戦争をせず、文化や芸能に力を入れた。加賀百万石盆正月を通じて、前田の殿様が市民に慕われていたということも知ってもらいたい」と期待を込める。

 まつりのメーンイベントである百万石行列は4日14時20分、JR金沢駅東広場前(木ノ新保町)を出発。武蔵、香林坊、広坂、兼六園下を通って同公園に向かう。初代藩主、前田利家には俳優村上弘明さん、お松の方には女優の藤谷美紀さんが扮(ふん)する。第60回記念行事の一つとして「歴代藩主時代絵巻」を企画、初めて14代までの藩主全員を勢ぞろいさせる。

 盆正月の開催時間は、4日=11時~18時10分、5日=11時~17時30分。入場無料。石川門口は4日15時40分から行列通過終了まで通行できなくなる。

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