石川県がデジタルアーカイブ事業の一環として制作した「辻口博啓が語る『加賀“茶の湯”物語』」のビデオが、全国地域映像団体協議会の「全映協グランプリ2007」デジタルコンテンツ部門で最優秀賞を受賞し、このほどDVDとして発売された。
受賞は七尾市出身の辻口博啓さんが「パティシエならではの新しい視点」で石川の茶の湯の魅力を紹介した点が評価されたもので、それを記念しての発売となる。
同DVDは、パティシエの辻口さんプロデュースによる茶会が、兼六園の茶室「時雨亭」で開かれるまでを、茶道裏千家今日庵業躰部講師の奈良宗久さんとの対談を交え、石川での茶の湯の文化紹介とともにドキュメンタリータッチで描かれている。
まず、辻口さんは、石川の茶会を支える名工のもとに足を運ぶ。登場するのは石川を代表する陶芸家や老舗の料亭、和菓子店の職人ら、そうそうたる顔ぶれで、巧みな技で作られる道具、季節や風土の産物を生かした料理や菓子の芸術美は圧巻。その中でも、茶会での飴細工のオブジェでの演出、和洋折衷の懐石料理。栗の甘みと酸味の効いたカシスが互いにうまみを引き出すオリジナル茶菓子「城山」など、新しい茶会の様子が見どころ。
県は1996年より公募事業として、石川の豊かな文化資産を最先端の情報技術で記録・保存し、世界に向けて発信するためのデジタルアーカイブ・プロジェクト「石川新情報書府」を立ち上げて文化コンテンツを発信してきた。DVDは、そのプロジェクトの一環として同公募事業に参加した制作プロダクションや関連産業、団体グループが制作を担当した。
DVDは、中国語、英語、韓国語にも対応する。50分。定価は3,000円。制作グループメンバーであるネスク(金沢市香林坊2)が運営する通販サイト「金沢楽座」で販売している。