金沢で「クリエイティブツーリズム」-現代美術作家のアトリエ訪問

山本さんのアトリエを見学する参加者

山本さんのアトリエを見学する参加者

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 金沢市内にあるアーティスト・工芸作家のアトリエや、町家、茶室、近代建築など、文化的なスポットを巡る「クリエイティブツーリズム2010」の初回が11月21日に行われ、市民ら参加者14人が日ごろ訪れる機会のない現代美術作家の創作現場2カ所を見学した。

電子レンジで固めた塩を手に、自身の作品について説明する山本さん(中央)

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 同ツーリズムは、金沢美術工芸大学美術工芸学部デザイン科の坂本英之教授、同大美術科の真鍋淳朗教授(油画専攻)、金沢大学大学院地域マネジメントコースの水野雅男教授が、兼六園や金沢21世紀美術館だけではない「創造都市金沢」の魅力を県内外に発信し、滞在型観光を推進しようと企画。実行委員会を組織して準備してきた。

 初回は、同館の秋元雄史館長の案内で、塩を使って立体作品を制作するアーティスト山本基さんと、日本画用の素材を用いて日本画とは異なる絵を描く画家牛島孝さんのアトリエを訪問した。

 サツマイモの貯蔵庫を改装した山本さんのアトリエでは、参加者が塩を固めるための電子レンジや、壁に貼られた展覧会場の見取り図などを見て回った。山本さんは「塩でレンガの階段を制作した際には重さ3トンの塩が必要で、レンガ1ピースを作るのに家庭用電子レンジで2時間かかった」などのエピソードを披露。参加者からは「使うのは普通の塩ですか」「湿気の影響はありませんか」などの質問が寄せられた。

 参加した同市在住の女性陶芸作家(39)は「第一線で活躍している作家さんの仕事現場を見る機会はなかなかない。創作の場所は大切で、雰囲気がいいなと思った」と感想を述べた。山本さんのファンという同市在住の別の女性参加者(48)は「作品は展示会場で制作するインスタレーションなので、アトリエは何をする場なのかと疑問だった。次の展覧会が楽しみ」と声を弾ませた。

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