「再開発」テーマに演劇上演―工事が進む近江町市場・ライブ喫茶で

本番に向けて稽古をする出演者たち

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 再開発工事が進む金沢市の近江町市場で、再開発そのものをテーマにした演劇「武蔵戦隊 近江レンジャー」が10月20日~22日に、同市場内で上演される。会場は、ビル化問題の渦中にある同市場内のライブ喫茶「メロメロポッチ」(金沢市近江町、TEL 076-234-5556)。

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 同作は「2007ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭」演劇部門の参加作品で、劇団F、激団トラベルボンバーズ、有志による合作。再開発問題に揺れる同市場で起こる騒動をダジャレとユーモア満載のコメディータッチで描く。「市民の台所」として親しまれてきた同市場にちなみ、「市民の代読男(だいどくお)企画」と銘打っている。

 同市場は約280年の歴史があり、数多くの市民や観光客が訪れる。再開発は総事業費約59億円を投じて行われ、費用は国や県、同市などが負担する。同市場の一部が地下1階・地上5階建ての再開発ビルに生まれ変わる予定で、2007年3月に解体が始まり、2009年の全面開業を目指して工事が進められている。

 脚本を手がけたのは、メロメロポッチ店主であり、激団トラベルボンバーズ代表の熊野盛夫さん。同店が入居する雑居ビルは再開発に伴う道路拡張のために取り壊されることが決まっているが、開業10年目を迎えた同店の行く末については存続を含めて白紙状態だという。「今回の作品は、再開発をきっかけに近江町市場で働くみんなの本音や市場の原点について考えて生まれた。市場は『生きよう』とする意志の象徴で、人と食べ物、人と人をつなぐ場。工事が始まってビル化が進む中、まずこの場からあふれる笑顔をつくらなければ―との思いを込めた」(熊野さん)。

 演出の本庄亮さんは「芝居は現実との関わりの芸術。いろいろな人の思いや考えをひとつに飲み込んで市場が形成されている。ビル化について賛成や反対の一言では片付けられない、一人ひとりの意見やその時その時の思いを大切にした」と話している。

 開演は、20~21日=14時30分~(昼の部)と20時~(夜の部)、22日=20時~。入場券は、前売り=一般2,000円、高校生以下1,000円、当日券は500円増。問い合わせは同店まで。

メロメロポッチ劇団F近江町市場

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