「カナザワ映画祭」開催迫る-「怪談」テーマに20作品上映、対談も

同映画祭のビジュアルに使用されている山下清さん画「ぼくのお化け」

同映画祭のビジュアルに使用されている山下清さん画「ぼくのお化け」

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 金沢市内3カ所で9月17日より、「怪談」をテーマにした「カナザワ映画祭2010」が開催され、20本の作品が上映される。主催は「かなざわ映画の会」。

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 開催は4回目で、今では北海道から沖縄までコアな映画ファンが集う映画祭として知られる。主催する同会は映画の上映を行う市民有志の団体として2007年に発足。以来、毎年映画祭を開催している。昨年から始めた音響システム「霊的爆音上映方式」を使い、会場の迫力を盛り上げる。

 上映するのは、日本怪談9本、米国怪談6本、亜細亜(アジア)怪談4本とオープニング野外上映の計20本。会場は、金沢21世紀美術館シアター21(金沢市広坂)、シネモンド(香林坊)、本多の森公園(出羽町)の3カ所。

 オープニングで野外上映するのは「シェラ・デ・コブレの幽霊(日本語字幕版)」(9月17日、本多の森公園、20時~、無料)。1967年にテレビ放送された幻のホラー映画。本国アメリカで存在を消され、世界中のファンが探し回る「史上最高に怖い映画」とされている。

 日本の怪談からは、アイドルのプロモーション映像撮影中に奇怪な現象が頻発する心霊ドキュメンタリー「邪願霊」(1988年)、「リング」の中田秀夫監督による劇場デビュー作「女優霊」(1996年)、ハレー彗星(すいせい)の接近により地球の空気が吸い取られるといううわさでパニックになる人々の恐怖を映した「空気の無くなる日」(1949年)など。

 米国の怪談からは、「エクソシスト ディレクターズカット版」(2000年)のほか、高圧電流で狂暴化したミミズが人間を食べ始める「スクワーム」(1976年)など。アジア怪談からは、19世紀の清朝時代の中国を舞台にのろわれた埋葬で蘇った死人・キョンシーと霊幻道士の壮絶な戦いを描いた「霊幻道士」(1985年)、韓国の山深い寒村で起きる猟奇連続殺人の恐怖を描く「チャウ」(2009年)など。

 イベントプログラムでは、「夏に怖い」ホラー映画を追求する脚本家・監督の高橋洋さんと、怪奇幻想文学やオカルティズムの創作・評論・研究活動を行う稲生平太郎さんが「表現におけるオカルト」をテーマに語り合う対談のほか、現代実話怪談の代表作「新耳袋」に記された心霊スポットの数々に挑んできた「新耳Gメン」による対談のほか、実話怪談の大御所による「バトルトーク2010」などを予定する。

 同会の小野寺さんは「暑さの厳しい今夏に、未公開を含めた作品を世界中から集めた。身も凍るような作品を見てほしい」と来場を呼びかける。

 料金は、1回鑑賞券=1,500円(前売り=1,300円)、3回鑑賞券=3,500円(前売りのみ)、各トーク券付き1回鑑賞券=2,500円(前売り=2,300円)。チケットは、金沢21世紀美術館、シネモンドなどで取り扱う。上映スケジュールなどの詳細は同会のサイトで確認できる。
 今月24日まで。

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