金沢の浅野川寺院群の3つの寺の若手住職と副住職で構成する「寺子屋の会」は9月3日~12日、各寺院を会場にアートグループ展「OterArt(オテラート)」を初開催する。
寺子屋の会は、広誓寺(こうせいじ=金沢市昌永町、TEL 076-252-3592)住職の巽亮光さん、崇禅寺(そうぜんじ=瓢箪町、TEL 076-221-4803)副住職の三香美晋道さん、聞善寺(もんぜんじ=瓢箪町、TEL 076-261-7374)住職の今井優悲さんの3人が「地域のために、お寺ができることを考えよう」と昨年11月発足した。古来より寺は、「寺子屋」と呼ばれたように学び場や文化や情報の発信源として地域の人々にとってなじみ深い存在とされていたことを再確認し、今の時代だからこそできる寺の役割を模索する。
月1回メンバーが集う会合で、寺が歴史上で担ってきた役割や現代の諸問題などについて話し合う中、同展の企画が決まった。「OterArt(オテラート)」とは、「お寺」と「アート」を掛け合わせた造語。同展では、絵画、彫刻、書、陶磁器など、金沢美術工芸大学の学生や同市在住の作家15人の作品を寺の凛とした空間に並ぶ。「『未来を考える、未来を創造する、創作』について共に学び考える機会を創出し、地域活性化や寺を身近に感じてもらうことを目的にする」という。
同会の巽さんは「古来より寺が担ってきた『地域の祈りの場として』『文化の発信の場として』の役割の一端を担いたい。各作家が寺の歴史を感じながら創った作品を楽しみ、数百年と守られてきた各寺の歴史やたたずまいから何かを感じてもらえれば」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~18時。問い合わせは各寺まで。