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エリア特集2011-11-11

アロマ・お香専門店が手作りお守り-「香りで金沢を覚えて」壮大な夢託す

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 「においほど、過去をはっきり思い出させてくれるものはない」。そう語ったのは、イギリスの元首相ウィンストン・チャーチル(1874~1965)だ。記憶に残りやすい香りで、金沢の思い出を観光客の脳裏に刻みつける。大きな夢を描き、長町武家屋敷跡近くに位置するアロマ・お香専門店が新しい土産品、香りお守り「香福袋(こうふくぶくろ) 加賀友禅」を誕生させた。

■ 土産需要狙い伝統工芸品・加賀友禅を活用

この店は「アロマ香房 焚屋(たくや)」(長町1、TEL076-255-6337)。代表で、お香づくりの専門家「香司(こうし)」の資格を持つ三宅琢也さんとアロマセラピストの炭谷昌美さんが昨年6月、野々市町(現在の野々市市)から移転オープンした。

「香福袋 加賀友禅」が生まれたのは、移転直後、知人の紹介で知り合った銀行と県中小企業団体中央会の担当者からの一言がきっかけだった。「香り袋に金沢の伝統工芸品、加賀友禅を利用してはどうだろうか」。三宅さんと炭谷さんにしても、新店が長町武家屋敷跡に近いせせらぎ通り沿いに立地することから、住民が客の主体だった野々市とは違い、観光客をターゲットにした経営戦略が必要だと感じていた。同じころ、寺院からお守り袋を作ってほしいとの注文も舞い込み、土産需要を見込んで、友禅生地で、独自に調合した香りつきのお守りを作るというアイデアを思いついた。

 中に詰めるのは、神社でおはらいを受けた護符と、三宅さんが金沢の街をイメージしてサクラをベースに調合し、炭谷さんが命名した香り「ミス・金沢」。これまでに作ったオリジナル約30種類のうち、最も人気が高かった2人の自信作だ。

袋は、炭谷さんが呉服店などを回って、小さなお守り袋に使っても引き立つ小紋柄の生地を探し、店舗2階の工房で1枚、1枚仕立てる。そこに三宅さんがミシンで「香福袋」の文字を刺しゅうして仕上げる。

県の「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」の支援を受け、今年4月に商品化。発売後は店の中央を彩る「看板商品」となった。8月には、金沢市から「金沢ブランド優秀新製品」に認定された。

「オリジナルの言葉を刺しゅうすれば、世界にただ一つだけのものになる。手に取るたびに金沢を思い出して、また来ていただきたい」と、三宅さんは期待を込める。

■ 遊び心満載の派生商品もヒット

実は「香福袋 加賀友禅」開発の途中、もう一つのヒット商品が生まれた。

その名は「香福袋 メッセージ」。「マイナス3キロ」「腹六分目」「大好き」「いつもありがとう」「禁煙」-。贈る相手への思いを込めたメッセージを刺しゅうした香りお守りだ。

「香福袋 加賀友禅」との違いは友禅を使っていないこと。「伝統工芸のイメージを崩してはいけない」と考え、お守り袋の企画を練るうちに膨らんだ遊び心としゃれっ気を友禅以外の生地で形にしたという。

減量を祈願する「腹六分目」はブタの顔をデザインした生地で笑いを誘う。車のナンバープレートに見立て、表面に購入者の車のナンバー、裏面に「美人が乗っています」「助手席募集中」と記した横型の交通安全お守り、浮気防止も兼ねて妻が夫に贈る「わき見運転NG」、「敬老の日」向けに「元気で長生きしてね」、「父の日」向けに「日本一のお父さん」「お父さん ありがとう」と縫い取ったものも。

観光客の一番人気は「ありがとう」を意味する金沢弁「あんやと」で、「ありがとうと素直に言えない方でも、方言なら伝えられるのでは」と三宅さん。

購入客が考えたユーモラスな一言を入れることもでき、来店した観光客の話題を集めている。

■ 2人の専門家がアドバイス

移転後の戦略が当たり、土産品を扱う店として旅行者に認知されてきた同店だが、一方で開業時から変わらぬ目標がある。「仕事の疲れや生活上のストレスの解消のため、多くの人に香りを使ってもらうこと」だ。

以前から、「人生最大の危機」と感じるようなつらい時、苦しい時には自宅でお香をたき、感情をコントロールして乗り越えてきたという三宅さん。経験上、香りが持つ力には絶対の自信を持っている。

精油をはじめとするアロマ関連商品やお香、線香など約800種類をずらりと並べ、来店客にはまず、「良い香りにしたいのは自分なのか、部屋なのか、車内なのか」と目的を尋ねるのが常だ。目的が「元気な気持ちになること」であれば、例えばかんきつ系のアロマオイル、「リラックスしたい」のであれば、お香など、2人が専門知識を持ち寄って来店客一人ひとりに合ったものを選ぶという。

お香のビャクダンはアロマオイルのサンダルウッド、チョウジはクローブというように、重なるものも少なくなく、精油を買い求めに訪れた客が薦められたお香を気にいったり、苦手だと思っていた香りに引かれるようになったりすることもしばしば。三宅さんは「アロマとお香の専門家がそろっているので境界が無い。それが強み」と胸を張る。

 開業以来、売り上げは前年比超えを続けており、着実にファンを増やしている。

■ 目標は「JR金沢駅で香りのお出迎え」

三宅さんと炭谷さんが今、取り組んでいるのは、「ミス・金沢」に続く、誰からも好かれるような香りの調合だ。

 名前はもう決まっている。「ミセス・金沢」「ミスター・金沢」、「金沢城」と「お嬢さん」をかけた「金澤嬢」。「ミセス・金沢」「金澤嬢」は炭谷さんが担当し、「ミセス・金沢」はラベンダーやイランイランなど、爽やかで深みのあるハーブを使った大人の香りに、「金澤嬢」はバラをベースにした華やかなものに仕上げる計画という。一方の「ミスター・金沢」は「フラワー系を使うわけにはいかないので難しい」といい、まだ方向は定まっていない。

炭谷さんは「金沢中に、『ミス・金沢』『ミセス・金沢』の香りが充満してほしい」と夢を膨らませる。

三宅さんの目標は「(2014年度に金沢開業する)北陸新幹線が到着するJR金沢駅で、琴の音の到着音に合わせ、『ミス・金沢』のお香をたいて来県者をお出迎えすること」。県都の玄関口で香りのもてなしをできたら、と願う。同駅構内で「香福袋」を販売するための販路開拓も、将来構想の一つに挙げる。

「香りで心も体も地域も幸せにしたい」と三宅さん。まちなかの1店舗から地元のイメージアップに貢献する地域企業への飛躍を期す。

「香福袋 加賀友禅」(きり箱入り)の価格は2,100円、「同 メッセージ」(同)は1,050円。メッセージのオーダーは追加料金が必要。同店のほか、尾山神社(尾山町)、曹洞(そうとう)宗大本山總持寺祖院(輪島市)、インターネット上でも販売している。営業時間は11時~20時。火曜定休。

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「アロマ香房 焚屋」

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