自動車リサイクルを手がける会宝産業(金沢市東蚊爪、TEL 076-237-5133)が現在、発展途上国に米を贈る支援活動「1万人元気ライスプロジェクト」のサポーターを募集している。
世界61カ国へ中古部品を輸出する同社は、環境問題にも積極的に取り組む。自動車リサイクル技術者を養成する「国際リサイクル教育センター(IREC)」を設立し研修生を受け入れるほか、タイやケニアに設立した合弁会社でも技術指導を行っている。「地方の中小企業であっても、グローバルなビジネスや社会貢献ができる時代」と、価値がなくなってしまったものを再生し新たな命を吹き込む事業を「静脈産業」と位置付け、全国の同業者の中心となり活動を呼びかけている。
アジアやアフリカ諸国と深く付き合う中で食糧や労働環境の問題に直面した同社では、クルマの廃油を使った廃油ヒーターを開発し、工場で回収される廃油や廃プラスチックをエネルギーとして活用した温室栽培の農業にも取り組む。県内の宝達志水町で地元農家と協力し、化学肥料や農薬を大幅に低減しながら生産する「宝志米(ほうしまい)」の販売も支援している。
これらのリサイクル活動を通じ「世界を元気にする総合元気メーカー」として、同社が立ち上げた同プロジェクトは、笑顔の写真1枚につき千粒の米を発展途上国へ送ろうというもの。目標とする1万人分の写真が集まる前にも、最初の支援国バングラディッシュに米を送る予定だという。同社社長室長の佐藤寧彦さんは「単に米を送るというボランティアではなく、本当の目的は農業やさまざまな技術支援により発展途上国の自立支援を行うこと」と話す。
5月6日に募集を始めたところ、20日間で640枚の写真が集まるなど反響は大きい。海外の取引先にも発信したところ、ナイジェリアなどからも支援の声が寄せられた。サポーターにはプロジェクトの進ちょくを報告し、佐藤さんは「参加をきっかけに、発展途上国に関心を持つきっかけとなれば。多くの人が参加することにより、サポーター主体の大きなプロジェクトになれば、中小企業の規模を超えた活動になる」と期待を寄せる。
参加は無記名でも可能で、1人で何枚もの写真を送ることもできる。携帯、パソコンから受け付ける。問い合わせは同社まで。