全国13地域の朝顔が金沢で開花-日比野さんプロジェクト

美術館を取り囲む朝顔の前に立つ関係者。左より蓑特任館長、妹島さん、山出市長、日比野さん、秋元館長

美術館を取り囲む朝顔の前に立つ関係者。左より蓑特任館長、妹島さん、山出市長、日比野さん、秋元館長

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 金沢21世紀美術館(金沢市広坂1、TEL 076-220-2800)で進められている日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式の一環で同館の周りに植えられた全国13地域すべての朝顔の開花を記念し、8月2日、日比野さんと関係者が同館で開花宣言を行った。

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 日比野さんは、2003年に実施された新潟県莇平(あざみひら)での越後妻有アートトリエンナーレをきっかけに、地域の人々と朝顔を育てて種を収穫し、他地域との交流を生み出すプロジェクトを展開してきた。金沢で行われている「明後日(あさって)朝顔プロジェクト21」は、金沢市内で育てられた苗と8県12地域で育てられた苗の合計約2,000株が、ガラス張りの金沢21世紀美術館の周りを覆いつくすもので、各地と金沢市内の中学生やボランティアスタッフが苗植えなどを通して交流を深めてきた。

 同プロジェクトは、若者向け教育普及プログラムとしても機能している。新聞というメディアを用いて同プロジェクト関係地域の情報を収集、公開する情報ステーション「明後日新聞社金沢支局」が開設され、8月7日には社員35人に「辞令」が交付された。このうち10代から30代の9人が特派員に任命され、全国へ取材に出かける。また、会期中の土曜、日曜と祝日には活動拠点である同館プロジェクト工房が一般公開される。

 開花宣言には、日比野さんのほか、金沢市・山出保市長、同館・蓑豊特任館長、秋元雄史館長、同館を設計したSANAA・妹島和世さんが出席した。山出市長、蓑特任館長、秋元館長は「花で潤う美しい美術館は、金沢の夏の新しい顔となった。誰もが親しめて環境問題も考えることができる広がりのあるプロジェクト」と同プロジェクトを位置付け、妹島さんは「これほど内側からも朝顔をきれいに見せることができ、まるでこのプロジェクトのために美術館を設計したように感じる。美術館に新しい表情が加わった」と話した。

 日比野さんは「決して劣化せず、たくさんの思い出を記憶し、運びやすくコンパクトな種からは、たくさんのことを教わった。種は時空を越えて思いを伝えてくれる」とし、「種の船」をイメージした高さ4メートル、幅5~6メートルの防水ダンボール製の新作を制作中であることを明かした。同作品は、9月29日より同館の展示室13で展示される。

 同プロジェクトでは、今後、日比野さんのアーティスト・トークやワークショップ、収穫祭など関連企画を展開していく。

 開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。会期は3月20日まで。休場日は、毎週月曜(10月8日、12月24日、1月14日、2月11日は開場)と12月25日、1月15日、2月12日、年末年始。

金沢21世紀美術館「明後日(あさって)朝顔プロジェクト21」

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