金沢市立安江金箔工芸館(金沢市北安江、TEL 076-233-1502)と金沢市立中村記念美術館(本多町、TEL 076-221-0751)で現在、共同企画展「文様の世界」が開催されている。
身近にあるものの日ごろその名や由来などを知らずに見ている文様には、事実を写実的に描いたものやデザイン化したものや幾何学的なもの、文字で書き表したものなど、実在のものから想像上のものまで多くの種類と言い伝えがある。例えば、「吉祥」の「吉」の字は若い男子を意味する「士」に神のお告げを意味する「口」を合わせ、男子が生まれるお告げの「めでたい」「幸い」を表し、植物の「南天」は「難」が「転」ずることから「めでたいもの」とされている。
同展では、これらの文様を動物や植物、幾何学模様など10のテーマに分け、絵画・工芸など約150点を展示する。安江金箔工芸館では、動物・植物をテーマに約50点、鶴が描かれた「群鶴図屏風」(相川松瑞・1947年)、ハスの根をモチーフにした珍しい文様をあしらった「蓮の根手筥(てばこ)」(池田喜一・1949年)などが並び、中村記念美術館では年中行事・人物・器物・文字・幾何学文・文学・風月山水・吉祥をテーマに約100点を展示、平安時代に始まった祭礼「祗園祭」を描いた屏風「祗園祭礼図屏風」(加藤遠沢・江戸時代)、宝物を満載した舟「宝船」を描いた「宝船蒔絵広蓋」(明治時代)などが来場者の注目を集めている。
両館では作品について分かりやすく解説した「鑑賞の手引き」も作成し、3月14日に実施される「文様の世界展のミニ検定試験」の教材として来館者に提供する。
安江金箔工芸館では2月6日・7日と13日・14日、和紙はがきと色紙にシルクスクリーンの型を用いて絵を描く「冬の摺箔(すりはく)体験コーナー」(800円)を、2月13日・14日は「箔打ち実演」(入館料のみ)を、それぞれ開催する。
開館時間は9時30分~17時。入館料は、一般=300円、65歳以上=200円、高校生以下無料(時間と料金は両館同一)。2月21日まで。