プロダクト・ウェブ制作のデザイン事務所「マリブデザインファクトリー」（小松市）が九谷焼とハローキティとのコラボレート商品を発表し、山中温泉の旅館「花つばき」で現在、展示販売している。

九谷焼作家の越田さんと東木さん

　ビジネスカルチャーマガジン「NODE(ノード)」の企画の下、ハローキティ誕生35周年を記念して、全国各地の伝統工芸品とハローキティのコラボレ－ト商品の一環として制作された。同事務所では、九谷焼のマーケットを広げ、新分野への開拓を試みる目的で今回の企画に参加した。

　作品の生地は、東木宏充さん（九谷妙須晃山窯）、絵付けは越田秀平さん（九谷焼窯元雪山窯）の若手作家2人が担当。鮮やかな色合いの伝統模様とハローキティのかわいらしさが融合した、「大人の食卓にも似合う」仕上がりとなっている。これまではサンリオショップやオンラインショップのみで販売していたが、今回、石川県内では初めての展示販売を行うことになった。

　全国的には、岩手の南部鉄器、群馬の高崎だるま、京都の京漆器、山口の萩焼、佐賀の伊万里鍋島焼、鹿児島の薩摩切子などとのコラボ商品がある。そのほか石川県内のコラボには、輪島塗（輪島漆器大雅堂）、蒔絵工芸（中村蒔絵工房）などがあり上質な伝統工芸品アイテムとして、注目を集めている。

　昨年の12月18日には、「花つばき」で商品発表会を行い、九谷焼作家の東木さんと越田さんが作品の制作工程や苦労した点などを披露。越田さんは「ハローキティはとてもシンプルな絵柄で、線一本で描かれている。表情も少ないので、線を描くときのコントロールが難しかった。九谷焼の伝統美や品格を維持しつつ、キャラクターの持つキュートさも表現した遊び心ある作品になったのでは」と話した。

　価格は、小紋角皿＝10万5,000円、丸紋丸皿＝7万3,500円、招きキティ＝1万500円、長角皿＝5,250円、丸皿5枚セット＝1万5,750円。