金沢の「朗読小屋 浅野川倶楽部」(金沢市尾張町、TEL076-261-0837)で9月1日、秋公演が始まった。
「朗読小屋 浅野川倶楽部」の建物は築100年を超える町家を改装したもの
尾張町かいわいは、藩政時代より多くの寄席や芝居小屋が立ち並んだ地域。テレビなどさまざまな娯楽の登場で衰退してしまった地域の劇場文化を盛り上げようと、5年前、演劇家の高輪眞知子さん、表川なおきさんが中心となり、同地に常設の「朗読小屋」を開設。金沢にゆかりのある作家の作品を中心とした朗読公演を春、秋の2回行っている。
同倶楽部では小松支部も合わせて75人の部員が朗読講座でけいこを積んでおり、今回の秋公演では毎回数人の部員が三島由紀夫の各作品のほか、五木寛之「浅の川暮色」、松元清張「怖妻の棺」、和田誠「おさる日記」などバラエティーに富んだ作品を朗読する。
初日は、表川さんと2人の女性部員が、三島由紀夫の「近代能楽集」から「斑女(はんじょ)」を取り上げ、登場人物である花子、実子、吉雄を情感を込めて読み分け、約30人の来場者を魅了した。表川さんは「三島由紀夫は母親が加賀藩で要職を務めた家の出身であるなど、金沢との接点が多い」と話す。
公演は今月13日まで毎日続く。上演時間は13時30分~。5日・6日・11日・12日は18時30分からも公演を行う。入場無料。問い合わせは同倶楽部事務局まで。