金沢に初のゲストハウス-海外経験豊かなオーナーが町家を改装し開設

明治期の呉服屋を改装したゲストハウスPongyi

明治期の呉服屋を改装したゲストハウスPongyi

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 JR金沢駅からほど近い六枚町に金沢初のゲストハウス「Pongyi(ポンギー)」(金沢市六枚町2、TEL 076-225-7369)が6月10日、オープンした。

オーナーの横川雅喜さんと、特にこだわったというドミトリー

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 ゲストハウスはバックパッカー向けの簡易宿泊施設。海外に多く見られるが、日本国内でも外国人観光客が多い京都などで年々増えている。東京都出身で金沢に来て4年になるという運営者の横川雅喜さんは、一時南米に住んでいたなど海外経験が豊富で、これまでNPO活動を通じて発展途上国に暮らす人々の支援にも取り組んできた。数カ月間ミャンマーで僧侶を務めた経験もあり、Pongyi(ミャンマー語で「お坊さん」の意味)の名はその体験に由来するという。

 ゲストハウスをつくろうと決意したのは今年に入ってから。同時に考えたのが金沢の町家活用で、観光客に金沢の伝統文化にふれてほしいとの思いがあった。金沢駅と銭湯に近いことを条件に、市が運営する「かなざわ町家バンク」で物件を探した。巡り合った物件は、鞍月用水沿いに面し、明治期に呉服店として建てられた土蔵付きの建物。まちの片隅で眠っていた町家が、横川さんとその友人らの手によって、こぢんまりとした清潔な宿に姿を変えた。

 ほとんどが「もらいものか自作」という室内の設備やインテリアは質素だが清潔だ。横川さんが特にこだわったのはドミトリー。男女別でそれぞれ2段ベッド2つを備える。ベッドは大きめでバッグパックを置くスペースも確保。「元は呉服屋で着物を保管してあった部屋。しっくい塗りで自然の調湿効果があり、快適に過ごしてもらえる」(横川さん)。家族・グループで利用できる和室も2部屋用意。そのほか共用スペースとしてコミュニケーションルームやキッチン、シャワーを備え、貴重品ロッカーやインターネットなどの設備も整えた。

 宿泊料金は1人1泊=2.600円~3.000円と格安に設定。うち100円はアジアの貧しい子どもたちへの寄付に充てる。「少しでも安く快適に泊まってもらって、その分おいしいものを食べるなど、金沢を満喫してもらえれば」(横川さん)。

 横川さんの人柄もあって、地域の人々も気軽にPongyiを訪れる。宿泊者同士の交流がゲストハウスの楽しみの一つだが、横川さんは「観光客と地域の人との交流の場にもなれば」と期待を寄せている。

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